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発表者
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ペットボトルで雪の結晶をつくる 平松和彦 北海道旭川西高等学校 
ペットボトルなどの身近な材料を使った観察装置(平松式人工雪発生装置)は1〜2時間のうちに装置の作成と結晶成長の観察が可能なので、1996年の公表以来、全国各地の学校・社会教育の場で活用された。またアメリカの3カ所でも特別授業を実施した。基本型のほか、いくつかの工夫をほどこす事により結晶成長の不思議に迫ることができる。
985102
身近な環境を調べる簡易な化学実験法の開発と実践 上田晃嗣 富山県立大門高等学校 
強塩基性過マンガン酸カリウム水溶液で処理した試料水とブドウ糖COD標準液を比色して、高い精度でCODを測定することができる簡易実験法を開発した。さらに、身近な河川の小石で処理した醤油希釈水のCODの変化を測ることによって、自然界の微生物による水質浄化システムを理解することができる簡易実験法を開発した。これらの実験法を化学IAの単元『環境の保全』で実践してみたところ、環境教育の生徒実験として有効であった。
985103
実験廃液を教材とした環境教育の一例(フェライト法による重金属イオンの除去) 山中孝男 茨城県立境高等学校 
化学実験で生じる廃液は、大別して酸・塩基溶液、有機系溶液、重金属を含む溶液の3つに分けられるが、重金属を含む溶液は有害な物質を含む場合が多く、その処理に関しては法の規制等もありなかなかやっかいなことである。そこで、この廃液処理を授業の中に取り入れ、実際に、フェライト法によって廃液を処理して、有害物質が人間に及ぼす影響と廃液処理の重要性を理解させ、生徒達の環境保全に参加する態度を育てようと考えた。
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物理の授業における「エネルギー環境教育」の実践

綿引隆文 茨城県立那珂高等学校 

21世紀を担う生徒たちが、環境に対して高い倫理感と実践力をもつことは環境教育の大きな目的である。物理IBの中で、エネルギー・環境問題の授業を実践してきた。内容は、学習編と実践編に分かれ、学習編は、エネルギー消費の物理的な側面と環境問題としての側面を理解し、実践する意義を理解することが目的である。実践編は夏休みを利用して、自宅で消費電力の省エネの調査と実践を行い、実践力を養う。

985105

櫟林の再生を願って 小野山隆司 愛媛県立東温高等学校 
織田  聴   愛媛県立東温高等学校 
永井英一   愛媛県立東温高等学校 
校庭に残る約300本のクヌギとアベマキからなる櫟林が渇水などの影響で立ち枯れの危機に直面した。この櫟林を守るため、園芸部と自然科学部が合同で、潅水や土壌改良のなどの保存活動、及び櫟林の土壌や土壌生物の調査を平成8年6月より開始した。その結果生きるのが精一杯であったクヌギも、樹液を出す樹が増え生長が確認された。部活動の研究成果の概要と生物の授業で実施した探究活動について報告する。
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「生きる力」を育む環境教育 稲用健二 宮崎県立都城泉ケ丘高等学校 
最近はダイオキシン問題や環境ホルモン汚染などが連日のようにニュースになっているが、現境に関わる諸問題は一層深刻になり人類の生存環境は急激に悪化していく。この意味でも、生徒達の「生きる力」の醸成は不可欠である。概念が異なる公害問題と環境問題の違いを生徒達にいかに認識させ、深刻な環境問題をしっかりとらえさせ、かつ「どうしたら解決できるのか」という実践的テーマを追求させることをめざした環境教育について論じた。
985107
身近な地域の環境放射能測定 高木義雄 石川県立高浜高等学校 
身近な地域の環境放射能測定として次の2点を取り上げる。1つは、大気中の環境放射能測定としてモニタリングポストのデーター解析をし、気象との相関性を調べる。もう1つは土壌中に含まれている137Csの植物体への吸収度合を調べる。大気中の環境放射能測定は、化学U、物理IB、Uなどの探究活動として取り入れ平成9年度石川地区中学高校生徒化学研究発表会でも授業の一貫として発表させた。

985108

教材開発「物質・エネルギーの循環と人間活動」

明仁憲一 大阪府立泉陽高等学校 

地球環境の危機やエネルギーの危機が叫ばれているが、問題の本質がよく理解されているとはいい難い。問題の理解と解決を目指して、熱力学の法則や核エネルギー・放射線等を含めた総合化・体系化された環境教育の展開が必要である。そのための教育課程と教材開発を提起する。

985201

環境コースにおける水をめぐる環境教材

西田憲市 大阪府立平野高等学校環境コース
本校での環境コースは、3年次にエネルギー研究と水質大気研究のもとに4単位の講座がある。その中で、水質関係の教材開発を見学会や実験を取り入れて進めてきた。その指導項目例を提示する。

985202

環境人間コースにおける環境教育252

樋口真須人 大阪府立平野高等学校環境コース 
本校は、今年で創立19年目になる。平成7年度から本校の特色づくりの中核として環境・人間コースを開設した。このうち環境コースは、「環境」をテーマとした理科系コースである。テーマのもとに見学・体験学習や観察・実験を積極時におこない、より深く学習への興味・関心を育てることができた。

985203

富山県西部の露頭写真の教材化

田中 保 富山県立砺波工業高等学校 
野外観察ができない場合の補助教材として、地層の露頭写真をパソコンに取り込んで教材化することを試みた。パソコンの利点は編集作業が容易であり、また検索によって知りたい情報がすばやく得られることにある。今回は堆積構造を中心に、地質現象(項目)別のものと地域別のものの2つのタイプの編集を行った。地域教材の開発と地質データの記録・保存という2つの観点から、今後も領域を拡大して作業を継続させたい。

985204

福井市における降水中の酸素安定同位体比

山本 豊 福井県立藤島高等学校 
福井市における降水中の酸素安定同位体比の観測を1993年5月から1997年12月まで5年間実施した。観測の結果、その年の気象条件によって傾向が変動するものの、年変化が明確になってきた。これは福井市にもたらされる降水の水蒸気源推定の大きな手がかりとなりうるので報告する。

985205

石垣島の降水の同位体組成

東田盛善 沖縄県立八重山商工高等学校 
地下水や地表水の同位体組成や水素・酸素の同位体組成から後述の式によって得られるd値(d−Parameter)は、その起源を知るためのトレーサーとして用いられている。石垣島の夏季の降水は相対湿度の高い太平洋上でゆっくりと蒸発したd値の低い(d<>10)水蒸気団によってもたらされ、冬季の降水は大陸から東シナ海に南下してくる乾燥した寒気団が温められながら相対湿度を下げていき、急速に蒸発したd値の高い(d 20)水蒸気団によってもたらされる。この結果を化学IA、地学lAの教材として活用している。

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総合科学としての「環境科学」の実践

浅川行雄 長野県梓川高等学校 
環境問題はすべての教科で取り扱われているが、それは断片的でかつ体系的でないことは否めない。そこで新教育課程移行に際して、環境問題を一つの流れとして扱いたいと考え、理科のその他科目として「環境科学」を導入した。  「環境科学」では単なる知識習得を目指すのでなく、かなりの時間をさいて行う実験・実習のレポート作成過程で、環境問題について自ら考え解決する力を養うことを目的とした。

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新しい環境教育の模索−国府台高校における環境教育の授業実践(3)

川勝健二郎 千葉県立国府台高等学校 
岩田孝昭   千葉県立国府台高等学校 
名取龍彦   千葉県立国府台高等学校 
国府台高校では1996年より「環境科学」の授業を実施しているが、1997年度はあらたに班別研究発表ならびに希望者による施設見学を実施した。これらのことを含めて概要を報告する。