コード
分類
テーマ
発表者
993101
ネンジュモの教材化への試み 梶山 昌弘  茨城県立緑岡高等学校   
ラン藻植物のネンジュモ類の一種であるイシクラゲを用いて、原核細胞の観察、光合成色素の違い等を実物を使って授業ができないか試みた。イシクラゲは常に陸生であり、路傍の草地や運動場に生える。顕微鏡観察でも容易に数珠状になった原核細胞が観察できる。ペーパークロマトグラフによる光合成色素の分離でも、クロロフィルの存在が確認できた。今後は光合成や呼吸及び窒素固定の測定をしたい。
993102
高等学校生物U「生物の系統と分類」におけ  る思考過程を重視した野外実習 磯邉 裕一  茨城県立日立第二高等学校   
梶山 昌弘  茨城県立緑岡高等学校   
数種類の植物の特徴を良く観察して記録し、その特徴を手がかりにして分類できる検索表を作成する実習を行った。この展開は通常の分類の手法と逆であり、植物名に詳しくなくても分類の実習が指導できた。学校周辺及び校庭内の身近な環境で野外実習をすることができた。また、観 察の時間では、植物のさまざまな特徴に気づくことができた。検索表作成の過程で、班内でいろいろ意見を出し合って話し合いを行い、生徒の思考が深められた。
993103
呼吸と光合成における気体の出入りに関する  高校生の認識について ープリ−ストリの実験を中心にしてー 雨宮 祐二  山梨県立市川高等学校      
松森 靖    山梨大学教育人間科学部  
本研究では、まずプリ−ストリの実験場面を用いて、光合成と呼吸(特に気体の収支関係)に関する高校生の認識状態について調査した。得られた知見は次の通りである。 (1)高校生は、主に6つの要因(光合成、呼吸、水、餌・養分、温度、その他)に基づいて、プリ−ストリの実験結果を推測すること。 (2)植物成長やその生命維持に不可欠な呼吸を判断基準として引き合いに出しながら、プリ−ストリの実験結果を推測した高校生は極少ないこと。 (3)呼吸と光合成による(O2とCO2)の出入りを定量的かつ総合的に判断できた高校生は極少ないこと。  さらに、このような調査結果に基づいて、光合成及び呼吸概念の認識を高校生が志向する教授学習課程の一つとして、紙上討論形式の授業を提案する。
993104
環境保全と絶滅危惧植物の指導

安嶋  隆  茨城県立太田第一高等学校   
内山  治  茨城県私立大成女子高等学校

環境保全とは地球規模の話題となり、身近な環境意識とはかけ離れてしまう。筆者らは茨城県内のフロラ調査を続けており、レッドリスト該当種を地域レベルにおいても多数確認している。そこで、「身の回りの植物にも絶滅危惧植物がある。」ということを生物部の活動から学ばせようと試みた。常陸太田市内のため池や水田の植物調査結果の概要とその活用例を報告する。

994101

自作シーロスタットを利用した太陽面及びスペクトルの観察法 岡村 典夫  茨城県立水海道第二高等学校
1クラス全員(40名)の生徒に対して一斉に太陽を観測させるには、シーロスタットを利用して暗くした教室内に、大きな太陽像を投影することがベストな方法であるとおもうが、本校で購入する前に生産中止となってしまった。そこで、素人でも加工のしやすい合板とアルミアングル、赤緯軸と赤経軸が分解できる赤道儀を利用して、15cmの平面鏡をもつシーロスタットを自作した。また、望遠鏡の接眼部に直視分光器を取り付けることにより、フラウンホーファー線の投影に も成功した。
994102
MM21地区をフィールドとする都市環境地学の基礎研究−地学野外学習及び総合的な学習の可能性を探る− 池崎 文也  神奈川県立中沢高等学校  
横浜市の新都市空間MM(みなとみらい)21地区に見られる各種石材を、記載的な調査のみならず、都市環境地学的観点から地学教育、環境教育での野外学習および総合的な学習の時間のフィールドとしての可能性を探るための基礎研究を行った。 その結果、地学および環境教育面では複数の観点による学習指導の草案を提示した。また、当地区をフィールド学習として利用する「総合的な学習の時間」の可能性についても検討を行った。
994103
写真によるヘール・ボップ彗星軌道図作成実習 杉山剛英  北海道札幌星園高等学校 
1997年のヘール・ボップ彗星を3/20〜5 /2 に渡って11回撮影したものをアルバムに貼り、生徒一人一人がじっくり天体観測をできる状態を実現した。この生きた教材を使い、彗星軌道図を作成し彗星の尾と太陽の位置関係、降交点の確認と太陽系軌道面、朝と夕方の見え方の違いから地球の丸さを感じ取る実習を開発実践した。前代未 聞の写真天体観測に生徒は天体に大きな関心を示し、理論と現実の一致に大きな感動を得ていた。

994104

地学TBにおける「星の分布」の教材化

大内 誠一  茨城県立太田第二高等学校

本研究は、「星の一生と宇宙」という項目で、地学Uと地学TBの境界部分にあたる分野の研究である。星図より恒星の数を数え、恒星の 分布、星団の分布の図を書く。その図から、恒星、星団が不均衡に分布していることがわかる。さらに、わが銀河の構造を明らかにし、星の一生が銀河の中でどのように行われているのかを知る。そして、夜空の星を見たときに、星の一生が語れるようになる。以上のことを目標に行った。

994105

有孔虫化石を利用した授業

大野 雅彦  茨城県立取手松陽高等学校 
茨城県内には、有孔虫化石を産出する露頭が、数多く点在している。有孔虫化石は、地層が堆積した時代や、環境の推定に利用することができるが、教材として扱われることは、まだ少ないように思われる。  今回は、それらを利用した授業を行い、生徒たちに近所の露頭のサンプルから底生有孔虫等を拾い出させ、観察及び堆積環境の推定を実習させたい。

994106

簡単な道具を用いた三角測量の実習

加藤 和男  茨城県立牛久栄進高等学校
紀元前にギリシアのエラトステネスは、角度と距離の関係から地球の大きさを測定した。2地点間の距離と角度から距離を求める「三角測量」について、簡単な道具を作製し実際に測量を体験することにより、その原理や考え方を学ぶ。はじめは短い距離の測量を行いその手段を習得し、次に遠くに見えるものを測量してみる。測量値と実際の距離を比較・検討し三角測量の限界などを考え、この原理が年周視差に応用されていることを理解させる。