コード
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分類 |
テーマ
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発表者
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992101
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401 |
固体(金属)の粒子の動きを見る |
高木 春光 東京都立大森東高等学校 |
亜鉛メッキした銅板をガスバーナーで加熱すると、合金の黄銅が生成し銀色から金色に変化する。この合金の生成は200℃でも起こることが知られており、固体状態の銅原子と亜鉛原子が相互に移動して合金の黄銅になると考えられる。この現象を用いて、固体粒子が気体や液体のように拡散することを金属の色変化によって観察する生徒実験を教材化した。また、この拡散は、温度と時間に関係していることが観察された。 |
992102
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400 |
再結晶と熱分解の実験 |
巣山 和人 長野県諏訪二葉高等学校 |
生徒が自主的に行う学習活動の一つとして、無機塩の再結晶と熱分解の実験を行った。実験操作は基礎的で簡単だが、生徒自身の計画と工夫が生かされ、簡易な熱分析法でもある。授業としては、無機化学の復習として設定した。また、実験結果の追試から、熱分解において、ろ紙などの不純物が影響することがわかった。 |
992103
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900 |
モデルを用いたモル概念の指導 |
片江 安巳 東京都立竹早高等学校 平山美知子 東京都立大崎高等学校 |
モル概念を指導するために、3種類のモデル実験を工夫した。第一は、小型スチール球を構成粒子に見立て、小スチール球数測定用ゲージを自作し、異なる径の同数の小スチール球の質量比からモル概念を理解しやすく工夫した。第二は、生徒がスチール球を実際に扱えるように、大型スチール球を用いるように工夫した。第三は、容易に分解組み立てができる分子モデルを自作し、分子1モル中に含まれる原子の物質量を理解しやすく工夫した。 |
992104 |
801 |
「燃焼の授業」の実践 |
権太 正弘 山梨県立甲府第一高等学校 |
「理科離れ」が叫ばれ、年々知的好奇心の乏しい生徒が増えている。その中で、化学TAの「空気の化学」の燃焼の分野を取り上げ、講義と探究活動を結合させた「わかる授業」、また、化学の授業を通して物質や現象に触れ、化学変化を法則的に認識できる力や概念の形成を目指した授業を展開したので、その実践報告をする。 |
992105 |
202 |
分圧の法則を利用した蒸気圧の測定 |
山本 進一 東京都立戸山高等学校 |
気体の体積変化の観察により蒸気圧を実感するとともに、体積を測定し、ボイルの法則またはボイル・シャルルの法則とドルトンの分圧の法則を用いて蒸気圧を求める実験教材を二つ開発した。その一つは、高温水中のメスシリンダー内に乾燥空気を捕集する方法であり、もう一つは、異なる液体の入った2本のビュレットに密封した気体を同じ条件で減圧し、体積増加を比較する方法である。今回は、後者を主に報告する。 |
992201
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101 |
原子量の指導法の工夫 |
歌川 晶子 多摩大学附属聖ヶ丘高等学校 |
原子量・分子量・アボガドロ定数の正しい概念をわかりやすく指導するために、道具や方法を工夫した。相対的な質量の概念を理解させるために、目盛りのない自動上皿秤と何種類かの質量に調整した玉のモデルを用いた。軽い原子をたくさん集めて量ることとアボガドロ定数の意味を理解させるために、ボルトとナットのモデルを用いた。簡単な道具で、わかりにくい概念をすっきりと説明できる方法である。 |
992202
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601 |
大理石の成分元素とイオン結晶の識別 |
阿内 大冠 茨城県立土浦第一高等学校 |
化学の教科書の最初に元素の概念があり、成分元素の検出実験を行う教科書もある。大理石の成分元素の検出実験は一般的だが、これだけでは時間を持て余す場合がある。今回、この実験に加えて、組成式を学習した後、最小限の化学反応を使った成分元素の検出によるイオン結晶の識別も試みることにした。未知試料を使うことにより、授業の活性化と創造性をはぐくむ問題解決学習を狙った。 |
992203
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900 |
物質の粒子モデル |
@大野 哲也 東京都立荒川工業高等学校 A杉山 和正 東京都立明正高等学校 |
@ BB弾を用いた物質の状態変化モデル |
992204
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1301 |
課題研究の現状 |
山本 悟 富山県立富山女子高等学校 |
昨年、一昨年の本校での取り組みを中心に、富山における課題研究について報告する。実施方法は、3つの大きなテーマを与え、各テーマごとのメンバーで、3〜5名のグループに分かれ、何を研究するかを決める。生徒が調べた実験の装置・試薬・方法等をレポート用紙に記入し提出させ、本校の実験室で実験することが可能かをチェックする。普通授業の中で同時に複数の異なる実験を行うことは難しい面もあったが、生徒は喜々として実験していた。 |
992205
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403 |
硫黄Sの循環 |
松本 久 長野県立長野東高等学校 |
硫黄に関係する実験は、@同素体の実験(斜方、単斜、ゴム状硫黄)、A酸化還元の実験(SO2、H2S)、B金属イオンの定性・定量反応などとバラバラに扱っていることが多い。今回は硫黄という元素そのものを中心に据え、上記@ABを関連づけながら、種々の実験を確認してみた。さらに、ゴム状硫黄を作った後の試験管、その硫黄についてもできる限り、再利用をすることも考えている。 |
992206
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504 |
ナフタレンを用いた芳香族炭化水素の置換反応の教材開発と実践 |
伊藤 誠一 東京都立江北高等学校 藤岡 和男 東京都立蒲田高等学校 |
ベンゼンよりも求電子置換反応を起こしやすいナフタレンを用いて、ハロゲン化、ニトロ化、スルホン化、アルカリ融解、還元、ジアゾ化、カップリングの反応を含む教材を開発した。生成物の確認では紫外線による蛍光の観察も併用した。加熱時に試験管の上部にティッシュペーパーを軽く詰めた。融解したスズを冷水で急冷してつくった綿状のスズを用いた。生成物の同定に関する考察で、シリカゲルアルミシートを用いた薄層クロマトグラフィー(TLC)や赤外線吸収スペクトル(IR)などの結果を用いた。 |
992301
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800 |
燃料電池『化学指導法の研究−環境と化学−』から |
大津 政美 茨城県立日立第一高等学校 |
茨城県立高等学校教育研究会理化部・化学研究委員会では,2年間の研究の成果をまとめ,今年度『化学指導法の研究−環境と化学−』を作成した。この実験集は,始めに環境に関する用語の解説・資料を載せ,次に調査・実験については,展開例を加えて学習内容がより理解しやすい指導法の手引き書として作成した。ここでは,実験集の紹介を兼ね,外部から水素と酸素を送り込むだけで簡単にできる「燃料電池」を紹介する。 |
992302
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306 |
食塩水を用いた二次(?)電池の改良 |
岸田 功 東京都立戸山高等学校 山本 進一 東京都立戸山高等学校 |
炭素電極を用いて食塩水を電気分解した水素−塩素電池は、充放電に時間がかからず二次電池の原理を学ぶのに好都合である。鉛筆の芯を電極にした12mm×60mmの極小型の電池で2.30 Vの起電力が得られ、電子ブザー、ソーラーモーターなどを回す。負極の起電反応は H2→ 2H++ 2e− ではなく、 H2 + 2OH− → 2H2O + 2e− である。 |
992303
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304 |
食酢の種類を当てる ー探究ゲーム的要素を含む中和滴定の実験教材ー |
臼井 豊和 東京都立八王子東高等学校 |
従来から行われている食酢の中和滴定の実験を、穀物酢、米酢、リンゴ酢などの食酢の種類を当てる探究ゲーム的な実験に改め、実践を行 った。食酢の種類の判別という目的を持たせることで、濃度を求めるための操作および計算を2回ずつ行わせることができ、また、多くの生徒が真剣にかつ慎重に実験を行い、活発に討論を行った。実験前後のプレテスト・ポストテストおよび自己評価からも、生徒が意欲的に実験や問題に取り組んだことがわかった。 |
992304
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306 |
高校化学に置ける水素エネルギーシステムの 教材化 |
飯田 清 茨城県立下妻第一高等学校 |
水素エネルギーシステムは21世紀のエネルギー問題や地球環境問題に対する積極的な取り組みの1つである。電池・電気分解の学習内容との関連から簡易燃料電池・簡易水素二次電池を 開発し、太陽電池板とこれらの装置を組合せることによって、水素エネルギーシステムのモデルを開発した。また、このシステムを高校化学の立場から理解するために、実際に行なった授業実践について報告する。 |
992305
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304 |
中華めんを用いた実験教材の開発 |
守本 昭彦 東京都立八王子東高等学校 |
中華めんには炭酸カリウムなどを成分とするかんすいが使用されている。本教材では中華めんから塩基を抽出し,中和滴定によって塩基の抽出の度合いを比較した。中華めんの抽出液をフェノールフタレインとメチルオレンジを用いて 塩酸で滴定した場合,中和に要する塩酸の体積は「はじめ〜第一段」よりも「第一段〜第二段」の方が多くなった。このことより,中華めんの抽出液は炭酸塩と炭酸水素塩の混合溶液であることが推測された。 |
992306
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305 |
フェノールフタレインのアルカリ性下での酸化分解の研究 |
藤岡 和男 東京都立蒲田高等学校 |
金属ナトリウムと水とをろ紙上で反応させた後にフェノールフタレインを加えると、全体的に赤色を示すが一部に脱色する部分がある。この原因は、強アルカリ性による退色以外に、酸化分解の可能性がある。フェノールフタレインやその類似色素を塩基性下で酸化剤を作用させ脱色の 程度を比較し、また強塩基性下での退色とも比較してみた。その結果フェノールフタレインはとくに酸化分解を受けやすく、強塩基性での退色傾向と対応することがわかった。 |
992401
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801 |
身近な物質を扱った実験中心の授業 |
岡部 徹 埼玉県立皆野高等学校 |
知識を蓄えることを目的とした授業形態を排除し、参加する授業、楽しむ授業を目的として化学TAの授業を構成した。親しみ易さを増すために、身近な物質や現象を取り上げ、系統性を持たせず1回完結の形態とし、班単位での生徒実験を中心とした。評価については、知識量を試す 定期考査は行わず、レポートと授業中の発言を中心に行った。この結果、理科を楽しむことのできる生徒が増加した。 |
992402
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800 |
少量化と小型化による実験の工夫 |
堀 芙三夫 東京都立富士高等学校 片江 安巳 東京都立竹早高等学校 |
化学教育において実験・観察を取り入れることは必要不可欠である。しかし、大学側からは実験をあまりやっていない学生が増え、化学系志望でありながらほとんどやってきていないという声が聞こえてくる。実験があまりできないことはそれなりの理由があるはずである。教科 書に記載されている実験をやるにしても、薬品をかなり使用する、器具がそろっていない、準備に長時間を要するなどであろう。そこで、私たちは少量化と小型化による工夫で実験しやすくできないかと考えた。そのいくつかを紹介する。 |
992403
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804 |
パソコンを活用した化学の授業 |
村山 孝 山梨県立甲府城西高等学校 |
実験室にノートパソコンと液晶プロジェクター、ならびにビデオ装置や実物提示装置を組み合わせた可動式教材提示装置を製作し、必要に応じてそれらを切り替えて、黒板にコンピュータシミュレーションや実物提示、ビデオ教材などを投影して、講義・実験と有機的にあわせた、効果的な授業展開の可能性を探った。 |
992404
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802 |
化学の学習評価の方法についての考察ー高校化学グランプリの問題分析を例にー |
丹伊田 敏 東京学芸大学附属高等学校 歌川 晶子 多摩大学附属聖ケ丘高等学校 上野 幸彦 早稲田大学本庄高等学校 柄山 正樹 東京女学館高等学校 斎藤 幸一 開成学園高等学校 |
高等学校の化学教育における学習後の評価は学習方法と学習指導方法に因って、その違いが反映される。評価機能の位置づけの考察と化学学習の評価の方法を問題の形式と関係付けを試みた。問題の形式を解法スキルとし、そのスキルの分類とスキルごとの正解率(評価量)の関係を、高校と大学の合同で客観的に作成され、実施された日本化学会・高校化学グランプリの出題問題を例にして考察した。 |
992405
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801 |
パズルによる化学学習 |
田中 芳和 大阪府立加納高等学校 |
市販のパズルには、迷路やクロスワードをはじめ色々なものがある。これらをヒン トにして自作したパズルを、授業の中に取り入れてみたところ、生徒たちはゲーム感覚で取り組み、授業にほとんど興味を示さなかった生徒も、大変関心を持ち積極的に取り組み以後の授業でも学習態度に改善が見られた。また、パズルを通して楽しむだけでなく、学習内容の復習や理解度の確認もできた。 |
992406
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800 |
学校訪問講義実験を実施して |
萩谷 薫 茨城県立水戸第一高等学校 川上 仁司 茨城県立水戸第一高等学校 三村 千春 茨城県立水戸第一高等学校 |
日本化学会関東支部のご協力により、本校で実施した学校訪問講義実験について、 過去8回の講義のテーマ、ここに参加した生徒達の様子、実施方法、これからの展望を、反省とともに報告する。この事業は土曜日の放課後(午後1時より)を利用して、生徒の自主的な参加のもとに、大学やその研究機関で化学に携わっている先生に講師をお願いして、化学の実験や講義を行うものである。 |
992501 |
1004 |
総合理科における環境教育の取り組みT |
板垣 敬 茨城県立那珂湊第二高等学校 |
近年、環境教育の重要性がそこここで論じられているが、その間、私達の学校現場でもいろいろな試行錯誤が行われてきた。その中で得られたものは、次の3点である。 @ 時代をどう読むか。(自然観・歴史観・人生観等大局的な視点) A 今後の教科指導の在り方。(理科は理科だけを教えていればよいのか。) B 環境問題をいかに自分達の手元に引き寄せるか。 |
992502
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1004 |
環境教育を取り入れた 高3文系クラスの化学TB |
高野 裕恵 大谷学園大谷高等学校 山本 勝博 大阪府教育センター |
化学は、大学入試の受験科目としての要素が強い。計算問題なども多く、難しい教科というイメージを生徒に与えている。受験に化学を必要としない生徒にとっては、授業そのものが苦痛となる。生活に密着し、将来においてその知識が必要となることもあり得る場合、受験のためではなく、本当の化学を学ぶ意識が生まれてくる。昨年度、環境問題を、実験を含めた化学の授業の中に取り入れ、化学を学ぶ必要性を生徒に与える授業の実践を試みた。 |
992503
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1004 |
世界共通教材"Science Across the World" を用いた環境科学教育 −新学習指導要領への展望− |
柄山 正樹 東京女学館中高等学校 |
"Science Across the World (SAW)"は、世界の5つの地域、40カ国以上、1500校にわたる学校をつなぐプロジェクトに発展しており、現在までに14のユニットが開発されている。今回の研究により、SAWは、すでに開発されているテーマを含め、平成11年3月に告示された新学習指導要領にも対応し得るプロジェクトであることがわかった。 |
992504
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1004 |
環境家計簿と環境意識度チェック |
武井 一郎 茨城県立緑岡高等学校 野内 頼一 茨城県立伊奈高等学校 |
化学研究委員会のメンバー16名は「環境と化学」をテーマに指導法の研究の冊子づくりをすすめてきた。(御年度は全国理科教育大会が 茨城開催のため参加者に無料配布)内容は大きく資料(データ)と実験の2つに分かれている。今回はその中で実際に生徒達は環境に対してどの程度の意識をもっているのかを環境家計簿と環境意識度チェック においてアンケートにとったものを冊子の一部として報告する。 |
992505
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1003 |
「ゴミ処理問題(物質のリサイクル)」を取り上げた化学の授業−発泡スチロールのマテリアルリサイクルに関する実験− |
堀川 理介 大阪府立北野高等学校 宮本 憲武 大阪教育大学教育学部附属高等学校平野校舎 |
新教育課程で実施される理科総合Aの展開例として、1年生の化学(1単位)で「ゴミ処理問題(廃棄物の化学的性質とそのリサイクル方法)」を単元として設定し、主たる都市ゴミである「ガラス」・「紙」・「金属」・「プラスチック」の化学的性質やその処分方法・リサイクル方法について授業を行った。授業はティームティーチングによって実験中心で展開し、施設見学・講演会も実施した。ここでは、授業概要と「発泡スチロールの d-リモネンによる溶解とポリスチレン樹脂の再生実験」について報告する。 |