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発表者
991101
111

「重さ」=「床を押す力」を用いた力学の指導展開について

根本 和昭   茨城県立日立第一高等学校 
「重さ」を「重力の大きさ」としてではなく、物体が「床を押す力」として展開すると、「つり合い」や「作用・反作用」の関係を日常的な体感から確認させることができ、また「質量」の概念との分離がさせ易くなると考えられる。更に、「重さ(重量)」=「床を押す力」として捉えると、慣性力を持ち出さなくても、自由落下の状態から"無重量状態"を考えさせることができるようになる。
991102
1500

小型ジェット機を利用した無重量実験

大山 光晴  千葉県立船橋高等学校
小型ジェット機によって無重量実験(正確には微少重力実験)を行ってきた。1回の無重量状態が約20秒間という限られた時間の中で、斜方投射させたボールの弾道、異なる液体の混ざり方、ローソクの炎、単振り子とバネ振り子の振動の変化の様子などを撮影することに成功した。どれも学校で勉強する内容に直接関係をした実験であり、生徒の興味を強く引きつけるような映像ばかりであ。多くの先生方に授業への活用をお願いしたい。
991103
100

簡易速度計を使った簡単な実験

井上 健  東京都立日比谷高等学校
簡易速度計(ビースピ)を自由落下・円運動・加速度運動の速度・時間測定に用いた。  1.自由落下の法則の検証:4個のビースピを用い、落下時間の測定も試みた。  2.v=rωの関係の検証:等速円運動・振り子の速度・周期を測定した。  3.「吹き矢」の実験  :透明管内を加速するゴム栓・コルク栓の運動を調べた。
991104
113

運動方程式と解答の表現

山口 金三  茨城県立土浦第一高等学校
運動方程式の表現に「ma=F」と「F=ma」が見受けられ、聞かれる。また同じ問いかけに対する問題集の解答に複数の表現が見られ、ともに生徒は混乱する。運動方程式では前者が、解答では(式を指定した解でないときは)量的表現が妥当である。
991105
114

「運動方程式」を電卓を使って数値解析していくワークシートの作成

小室 孝志  東京都立武蔵丘高等学校
力学の学習の目的は、「物体の運動を調べること」であり、その例がパソコンによるシミュレーションの作成である。今回、簡易なオイラー法により、自由落下の空気抵抗のない場合、ある場合、単振動の3つの運動を電卓も必要ない程簡単な計算により数値解析し、X-tグラフ V-tグラフを作成する、手軽な1時間の授業の中で、また課題として行えるワークシートを作成した。
991106
112

放物運動の指導法と教材の開発

柴田 朝邦  愛知県立幸田高等学校
最も身近な物理現象として、放物運動がある。現象的には毎日のように経験しているにもかかわらず、適切で明確なイメージを持ち合わせている生徒は意外と少ない。物理のどの分野でも、正しいイメージを持つことは、物理的な理解には不可欠である。放物運動のイメージづくりのために、できるだけ簡単な道具を用い、明確な目的を持たせた指導法を示したい。また、放物運動の理解のための簡単な教材を開発したので、その一部を紹介したい。
991201
1600

見て、さわって、考えて分かる物理のために

川角 博   東京学芸大学教育学部附属高校
伊藤 香   私立東京女学館高等学校
高橋 仁   東京都立忠生高等学校
野口禎久   東京都立練馬工業高等学校
谷田貝秀雄 文京女子大学高等学校
力学に関するアンケート形式の共通問題を作り、中学を含めて、多様な高校で生徒のつまづきを調査した。この結果からは、「生徒は考えること自体は嫌いではない」、「学校によらずつまづきには明確な共通点がある」、「物理の学習から応用的に使える知恵が育っていない」などが考えられた。この結果を生かして、目的意識を持たせて、いつの間にか自ら考えさせてしまう実験を検討した。
991202
230

問題解決能力を養成するための物理指導例〜運動量とエネルギーの違いを探究する過程を通して〜 

山田 孝男  茨城県立牛久高等学校
運動量とエネルギーの違いを探究する過程を通して体験する問題解決の思考過程を大規模百貨店の販売ビジネスにおける問題点を解決するための思考過程と比較対照しながら指導することにより、実生活における問題解決能力を養成するための指導展開例を考えてみました。
991203
111

剛体の釣り合いの条件

藤原 博伸  私立女子聖学院高等学校
一般に釣り合いの説明に用いられている天秤は、例外なく天秤棒の重心(中心)がピンで押さえられており、力の総和が0Nになることを生徒が理解するためには真中にバネ秤を用いて釣り合わせるか、左右での議論ということになり直感的にわかりにくい。もっと理解を助けるには、より直感的である方が理解しやすいと思われる。この実験装置は釣り合ったときに重りの数を数えさせるという単純な作業でこのことを理解できる。
991204
1600

高校物理「力の授業」

石井登志夫  埼玉県立北本高等学校
物理で与えたい自然観は「自然界は原子からなる物体と、空間の性質である場の2つから成り、それらが相互作用することで様々な現象が起こる」というものである。物体・場・力線・弾性・フックの法則・分子間力等について、具体的な指導計画を提示する。
991205
1500

鉛直円軌道に束縛された運動の提示

山崎 松吾  東京都立南高等学校
鉛直に保たれた円軌道に束縛されて動く物体の運動の演示は、理論では、摩擦や回転が無視できれば、円軌道の直径と同じ高さから落ちた場合は、円軌道の最高点までいくわけですが、実際には、摩擦や回転の影響で、理論からほど遠い結果となります。今回、ストロ−を使用することで、理論に近い形の演示ができ、糸につけた物体の鉛直面内の運動との比較を、すぐに見せることのできる、演示装置を製作したので紹介します。
991206
512

単振動の記録テープのv-tグラフと角振動数ω

小林 雅之  東京都立青山高等学校
T章では単振動の記録テープについて、力学的エネルギー保存、打点間隔の最大値と振幅と角振動数ωの関係(ω=vmax/xmax=vmax/A)、x−t、v−t、a−tグラフのx、v、aの位相差、sin、cosの微分を検証した生徒実験について述べる。U章では発光ダイオードのフラッシャー回路による単振動の観察器具とその他の利用例、V章では単振動から波動への導入実験となる輪ゴム式ウエーブマシーンの生徒実験を併せて紹介する。

991207

1500

モノコードギターの製作による弦の振動

小野寺正喜  岩手県立盛岡北高等学校
生徒は弦の振動を弦の材質や長さで振動数が決まるということを、ギターの楽器として体験している。モノコードの弦の振動を、ギターに近づけた教材として開発した。ギターのフレットとしては竹串をボンドで貼り、弦の振動数をパソコンへ入力し波形観察から測定した。また、弦の振動数を音階としても考えさせた。
991301
1500

赤外線に関する実験

岸沢 真一 埼玉県越谷総合技術高等学校
赤外線は熱放射の主役であり、またテレビなどのリモコンにも使われ、生徒にとって身近な存在である。しかし、検出器が手に入りにくかったせいか、今まで実験の対象となることはあまりなかった。今回特殊な器具を使わない実験方法を開発し、授業を実施したので報告する。ここで紹介する実験は、熱、光、電磁波、エネルギー、環境問題(温室効果)などの様々な分野で取り上げることができる。

 

991302

333

気体の輝線スペクトル、吸収スペクトルをTVモニターで観察する

関口 隆司  茨城県立水戸第一高等学校
〔要約〕物理TBの「光波」の単元で、プリズムなどにより光のスペクトルが生じること、光源により連続スペクトル、線スペクトル、吸収スペクトルが観察されること等を学ぶ。吸収スペクトルは観察することが難しく、観察を省くことが多い。今回開発した装置ではナトリウムによる吸収スペクトルがTVモニター上に映し出されるために、輝線、吸収スペクトルを確実にクラス全員で観察 できる。また、太陽光のフラウンホーファー線も 観察できる。
991303
1700

演示教材やおもちゃのデータベース作成を目指して

坂井  章  新潟県立新潟高等学校    
麩沢 祐一  新潟県立新潟高等学校
宮田 佳則  新潟県立新潟高等学校

生徒に物理に興味を持ってもらい、また理解の手助けになるように、毎授業でちょっとおもしろいおもちゃを紹介している。説明の後、授業をしながら生徒に回し一人一人にさわってもらう。生徒にはおおむね好評で、かつ効果的であるが、考えなければならない点もある。また、大きな問題点の一つとして「ネタ切れ」がある。そのため、新潟県の物理教員に協力してもらい、「教材やおもちゃのデータベース」作成を始め、インターネットで公開している。
991304
611

電流のまわりの磁界測定実験の再評価

阿部 幸夫  三重県立津高等学校
斉藤あや子  三重県立津高等学校 
三高理物理部会発行の、実験書従来、H=I/2πrの検証を扱ってきたが、装置製作の手間と理論との不整合という疑問から、一昨年、実験書の項目から除外した。しかし、電流と磁界を定量的に理解させるという必要性から、再検討し、生徒実験として使える裏付けを得た。このような基礎研究を体験させることは、沈滞する日本産業の中で、地味ではあるが、次代の科学技術を担う若者を育成する理科教育の1つの重要な視点であると考える。
991305
1500

小型モーターを利用した各種生徒実験

塚本 栄世 神奈川県立秦野南が丘高等学校
市販の小型モーターを乾電池で回すとき、直線状のニクロム線を抵抗として使うと、長さを変えるだけでモーターの回転数を微妙に変化させることができる。従って、手作りの簡単な装置を使って等速円運動、単振動、波動・音、エネルギー、電磁誘導等の生徒実験が可能となる。また、モーターを使ってチョッパーを製作すると、弦の定常波等の周期的な現象の瞬間の姿を見ることができ、放物線上にとびとびに水滴が静止して見える実験も可能となる。
991306
423

物理での「原子と放射線」の授業実践

久保田 信夫  私立立花学園高校
高校の物理授業「原子と放射線」の単元を通して、生徒実験・観察をさせながら放射線と原子力の正しい知識を教え、現在の日本におけるエネルギーとしての原子力について個人としての考えを持たせることを目的として取り組んだ授業と実験の紹介
991307
1600

物理新指導要領を見る

川内  正  大阪教育大学教育学部附属高等学校平野校舎

2003年からの新課程の指導要領が告示された。週5日制時代を迎え、総授業時数が減少し、学習内容が精選されることとなり、これまで小学校・中学校で扱われていた内容が高校に押し上げられた。物理の内容としては物理Tの内容に、興味付け的、導入的内容が重視される記載になっている。そのことと、全体として高校物理が精選というよりは増加であることがあいまって、物理 Uはずいぶん大きな内容となっている。高校教育現場としてこれまでの経験にないものにどう対処して行くべきかを検討する。

991308
1500

画像の送受の仕組みの学習

岡戸 靖一  東京都立足立工業高等学校

丸形リレーの一つであるPUSH-PULL型のソレノイド「MARUHA ELECTRIC DC24V MD-142」を用いてベインファクシミリを簡単に制作できる装置へと改良した。この装置を用いた画像のデジタル信号化と、その送受の仕組みについて学習する方法を紹介する。

991401
1500

PC利用の生徒実験装置の製作

若菜 英幸  東京都立北野高等学校
加藤 清志  東京都総合技術教育センター

PC利用の生徒実験において、速度計測及 び磁束計測用の装置を製作した。斜面落下の実験 などを行い理論的考察ができる高い精度を得るこ とができた。 KJ法による分析では、生徒にとって最初は大変 だがわかりやすいことがわかった。また、実験時 間も従来の方法より短縮できた。 
991402
1500

EXCEL-VBAから利用可能な実験計測DLLの開発

平山 茂男  茨城県立神栖高等学校
学習指導要領でコンピュータの活用が謳わ れて久しいが、各学校において十分に理科教育に パソコンが利用されているとは言いがたい。特に 実験計測の分野においては利用されず、表計算ソ フトを使ってデータ処理をする程度である。そこ で、Windows マシンが標準で持っているサウンド カード(チップ)に注目し、それを利用して表計 算ソフトの EXCELから直接測定できる簡易計測システム(DLL)を開発した。
991403
1500

手作りリレーを用いた「計算機のしくみ」

田原 輝夫  東京都立墨田川高等学校
構造が一目でわかるリレーを手作りし、こ れを用いて論理回路(AND、XOR)の演示を行う教具とリレー式計算機を製作した。また、「計算機のしくみ」について楽しく学習させるための導入として"人間式"計算機なる指導方法を考案した。これらの教具や指導方法を活用して授業を行ったので報告する。物理という科目の中でどのように情報を位置づけ、何をどのように生徒に教えたらよいのか今後も追求したい。
991404
1500

Windows環境でのパソコン測定システムの開 発 −Visual BasicとDelphiを使ってー

春日 伸友  福井県立若狭高等学校
今までDOS環境でパソコン計測の研究を 行ってきた。しかし、時代はWindows環境 に移りその環境での開発が必要になってきた。そ こで、最初にVisualBasicを使って、 パソコン付属の「音声入力装置」で取り込んだ音 波の計測システムを開発した。次にDelphi を使って、作製したAD変換ボードをパラレルポ ートに接続し計測するシステムを開発した。また この研究により以前作製した測定装置を再利用し たいとも考えた。
991405
1420

手軽な補助教材としてのシミュレーションの作成と利用

加賀美 史朗  山梨県立石和高等学校
高校の物理で扱う内容は実物を見せること ができなかったり、わかりやすい形で生徒の前に 提示することができない部分がかなりある。パソ コンを使ってこの部分を理解しやすい形に咀嚼し て示してやることができる。こうすることによっ て生徒は今学習している事象を具体的にイメージすることができる。我々物理の教員は日常的に授業の中で演示実験や実物の提示を行っている。この感覚でパソコンを利用し、手軽に効果的な教材提示ができないだろうか。
991406
1600

物理とアルゴリズム学習

藤川 清一  東京都立晴海総合高等学校
次期教育課程では新しい科目「情報」が誕生する。情報はそれのみで存在できるものではない。 今回は物理の学習にプログラミングを取り入れ、生きた情報教育を行った。プログラミング言語としてLogoを使い、簡単な手続きを作成しながら物理の法則を理解させることを目的とした。特に、生徒が物理の法則をどのようにとらえ、つまずき、それをどのように解決していくのか、に焦点を当てた。
991407
1500

Windows環境の簡易計測-手軽にコンピューター計測を-

朝野 敏彦  富山県立桜井高等学校
Windows環境やノート型パソコンの普及にともない、これに対応した安価で手軽に使えるコンパクトな簡易計測装置を製作した。ハ−ドウェアはシリアルポートに接続するアダプタータイプとし、ソフトウェアは Windows対応でかつ必要最小限の機能のみの仕様とした。授業での使い勝手はよく、また生徒にも好評であったことから教師用や生徒実験等に十分使用できる感触を得た。この装置についていくつかの計測例とともに報告する。