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発表者
012101
203 大理石を炭酸水に溶かす−園芸用大理石を用いた実験 守本 昭彦    東京都立砂川高等学校
大理石や石灰岩などを塩酸や酢酸に溶解させ、二酸化炭素を発生させる実験は広く行われている。しかし、身近にある大理石の二酸化炭素水溶液への溶解性に関する実験は実際にはほどんど行われておらず、明確なデータが得られていない。そこで「大理石の二酸化炭素水溶液への溶解と炭酸カルシウムの再析出」に関する教材を検討し、化学と自然現象を結びつけることができるような教材を開発した。
012102
905 結晶モデルの製作とその利用法

今井  靖     島根県立松江南高等学校
化学の最初の単元である「物質の構成」で、結合と結晶構造について触れることになる。ところが、金属の結晶格子を扱うときに、格子の名称や格子中の原子数などの知識が優先され、結晶と物質のつながりや結晶格子の構造といったものをきちんと理解できずに終わってしまうケースが多いように思われる。そこで、発泡スチロール球を用いて結晶モデル作成し、これを用いて授業実践を行い、結晶格子についての生徒理解を図ることを考えた。
012103
806 白金の触媒作用の教材化−科学史の視点から−

横田 淳一    富山県立桜井高等学校
酸素と水素の混合気体(爆鳴気)から水を合成する反応は,爆鳴がすることなどから,生徒の好きな実験の一つである。そこで,この実験をダイナミックに演示し生徒の興味・関心を引き出し,さらに触媒の理解へと繋げたいと考えた。また,研究や発見のつながりを捉えやすくし,断片的な知識だけに終わらせないようにするため,フアラデーの白金による水の合成実験を再現するなど,科学史の視点から,白金の触媒作用を教材化することを試みた。
012104
103 溶融引き上げ法によるNaCl単結晶の作製とその教材化
NaClの単結晶は、きれいな劈開を見ることができ、イオン結晶の学習教材として優れているが、水溶液からの再結晶では大きな結晶を得にくく、また劈開を見ることは難しい。本研究では、高校の実験室でマッフルとるつぼを用いてNaClを溶融し、種結晶から単結晶を引き上げて簡単にNaCl単結晶を作成する方法と、作製した結晶を用いてNa+とCl−の結合間距離を求める方法を開発し、一定の成果を得たので報告する。
012105
306 鉄・スズ共存系(ブリキ)の水素発生型腐食について 下田 善夫    都立八王子東高等学校 
身近にある鉄やブリキなどの腐食という貌象は、生徒たちが誰でも記憶する「イオン化傾向」の序列によって、どんな場合でも説明できるのだろうか。
012106
507 高分子の合成と分解の小さな実験

巣山 和人    長野県諏訪二葉高等学枚 
高分子の合成実験として酢酸ビニルの乳化重合を行った。酢酸ビニルは未精製でよい。分解はポリスチレンおよびポリ塩化ビニルの熱分解を高校の実験にアレンジした。いずれも、授業の内容の一部として取り入れられるよう、短時間で安全にできる生徒実験である。
012107
105 原子量の扱いと塩素の原子量測定

溝口 克彦    東京都立立川高等学校 
原子量および物質量概念の提示方法について述べるとともに、塩化水素−エタノール溶液中に金属ナトリウムを加え、生じる塩化ナトリウムの質量より、塩素の原子量を求める方法について記す。

012108

304 2価の塩基の2段階電離に関する研究U−水酸化カルシウムを題材として−

平井 俊男     大阪府立今宮高等学校
芝崎 哲郎 吉井 雄一  2001同高校卒業生

水酸化カルシウム水溶液の塩酸による中和滴定と、電離平衡を考慮したそのシミュレーションを実施し、以下の知見を得た。@2価の塩基の水酸化カルシウムは、強塩基で2段階に電離し、水溶液中にはCa(OH)+が約40%残っているが、得られた中和滴定曲線は1段階である。A電離定数の大小によって、中和滴定曲線は2段階になったり、ならなかったりする。

012201

801

 生徒のいたずらをいたずらとしない授業の工夫〜炎色反応の実験を通して〜

一瀬 英史   山梨県立農林高等学校
「理科離れ」とか「思考力低下」といった教育問題が叫ばれる中,理科授業の中で生徒がいかにして理科に関心を持ち,有意味な思考活動を行うことができるか,という問題に取り組むことは重要である。授業の中で,いわゆる「学びに価値を見いだせない生徒」は,理科に関心を持つどころか,時に授業展開に支障をきたすような行動をとることがある。例えば,炎色反応の実験では,試料を無意味に混ぜ燃焼させるといった,教師からはいたずらとしか捉えられないような行動をする。本研究は,そうした生徒のいたずらとしか捉えられないような行動を利用して,有意味な思考活動を行わせるような授業展開を行った実践報告である。
012202
500

中学理科1分野と高校化学(高校1年の有機化合物)

高野 裕恵   追手門学院大手前高校
高校化学は、教科書通り指導すれば、物質の分類から始まり、原子の構成、結合、物質量、物質の変化と続き、液体、気体について一般的な基礎知識を学習する。その上で、実際に生活に密着した物質として無機化合物および有機化合物、高分子化合物と続く。この基礎理論と物質を平行に学習していくことは不可能だろうか。中学の理科第1分野における原子の結合や、化学変化を利用すれば、高校の化学1Bを学習することが出来るだろうか。現在までの実践の成果と問題点について報告をする。
012203 1199

インターネットを活用した化学の授業

大下 英一  岡山県立玉野光南高等学校
教育のIT化の研究が進む中,インターネットを化学教育に活用する方法を模索してきた。インターネットを単なる情報検索の手段として用いるだけでなく,理解を深めるための手段として,また,プレゼンテーションの手法として活用することを試みた。更に,インターネットを用いた活動と実験を結びつけて,系統的な化学教育を行うことを目標に授業実践を行った。
012204
306

化学反応に於ける電子の役割(Ca電池)

岡野 道也   茨城県立境高等学校
活性度の高い金属カルシウムが水と激しく反応して水素を発生させながら溶ける実験に注目し、この反応そのものが電池の原理であることを実証し、新たにカルシウム電池などを工夫・開発した。この実験と水の電気分解実験から「化学反応の主役は電子であり、原子同士での電子の授受が化学変化、化学反応の本質である」ことを生徒に理解・納得させることができる。
012205
400

テルミット反応を利用した合金の製作および合金の分析

富永 保典   徳島県立富岡東高等学校
 テルミット反応により金属酸化物から金属の単体を取り出すことができる。このことを利用して,何種類かの金属酸化物の混合物から合金を作った。また,生成物が本当にその目的物質なのかを調べるために,系統分析により定性分析を行った。なお,「テルミット反応を利用した合金の製作」については,平成12年度日本化学会中国四国支部化学教育研究発表会で発表したものである。
012206
801

簡単にできる化学演示実験

大津 政美   茨城県立高萩高等学校
茨城県高等学校教育研究会理化部・化学研究委員会のメンバー15人で,2年間の研究の成果をまとめ,今年度『簡単にできる化学演示実験集』を作成した。この実験集には,59の演示実験を集めた。演示実験の内容が一目で理解できるようイラストを挿入し,教師の手引き書として作成した。ここでは,実験集の紹介を兼ね,いくつかの演示実験を紹介する。
012207
203

沸騰石を使わない沸点上昇度測定装置による沸点上昇度の測定実験

石津 丹勇   大阪府立四条畷高等学校
沸騰石を使わず,冷却管を取り付けた培養チューブとデジタル温度計とホットプレートスターラーを用いた簡単な装置で,かくはんしながら溶液を沸騰させると過熱と突沸を防ぎ,安定した沸点を求めることができた。この方法で,一価のイオンからなる電解質水溶液の濃度を変化させ沸点上昇度を測定した。その結果,希薄溶液から濃厚溶液に至る濃度範囲において,理想溶液からのずれの正負とずれ幅の大小を示す沸点上昇度のグラフを描くことができた。
012208
504

単体の臭素を用いない安全なベンゼンの臭素化

井上 正之   私立広島学院高等学校
 水溶液中で行える安全なベンゼンの臭素化の実験教材を開発した。硫酸酸性水溶液中で臭化カリウムと臭素酸カリウムを反応させ,臭素を発生させた。この溶液にベンゼンを加えた後,硝酸銀水溶液を加えて加熱すると,置換反応が進行してブロモベンゼンが生成した。
012209
1202

カラー感熱紙の研究と教材化

野田  徹    東京都立深川高等学校
藤岡 和男   東京都立墨田川高等学校
拡大くんに使われる青、赤、黒のカラー感熱紙を利用し、発色の原理を探究させる実験を開発し、実施した。感熱紙中に含まれている無色の色素と酸とを、熱水と酢酸エチルで別々に抽出させることができる。探究型の実験、抽出の実験例として好適である。

012301

1301 救急箱の中身を用いた課題研究の展開例

田中 大也   愛媛県立今治南高等学校

新課程において、医薬品が取り上げられることを受け、身近な医薬品の知識を生徒に定着させる方法の1つとして次の実践を行った。救急箱の中の医薬品に関して、その成分と効能をインターネット等を利用し調査させる。表計算ソフトを用いて調査結果を整理し、レポートを作成させる。胃腸薬を用いて、デンプンの分解反応をヨウ素デンプン反応と、フェーリング反応により確認させる。
012302
105 「物質量をいかに教えるか」、「化学の公式について」 田中 芳和   大阪府立高津高等学校
化学を学習する生徒にとって、最初の大きな壁となるのが「物質量」である。大阪の化学研究委員会で、昨年9,10月に行った意見交換をもとに教案を作成した。この教案を用いて授業を展開したところ、生徒の理解度は上昇した。また、化学で扱われる公式については、その文字式が各教科書会社によって様々であるが、1つの文字式は常に同じ内容を表すようにすることが、生徒の理解を助けるために必要であると思われる。
012303
1000 化学実験の工夫−グリーンケミストリー化をめざして−

堀 芙三夫   東京都立八王子東高等学校
村田 吉彦   東京都立小金井工業高等学絞

環境問題や環境保全は地球的課題である。学校現場においても総合学習などのテーマとしても注目され、様々な実践がなされている。このような状況下、化学実験においても環境問題を意識した取り組みがなされなければならない。従来から安全面には十分な配慮がなされてきたと思われるが、環境問題への意識はやや希薄であったのではないだろうか。今後も化学実験を積極的に取り入れるには環境にやさしい実験の工夫が不可欠である。
012304
1301 課題研究「マドラー作り」と問題点 泉  泰正   鳴門市立鳴門工業高等学校
化学Uの課題研究として、3年生を対象に、温度によって色の変わる液体を封入したマドラーの製作を行った。色の変化は、コバルト(U)の水和イオンが、配位している水分子の数によって色を変えることを利用している。完成品が、ある程度日常で使えるものであることや、簡単な試行錯誤で色の変わる温度を調節できることから、生徒も熱心に取り組み、平衡移動の理論に関する理解もよく定着した。
012305
1301 tt@h課題研究の実践 三村 明伸   香川県立高松北高等学校
高等学校の化学Uの課題研究を実施する時,無難なテーマを教員側から全員に与え,指導する形を取ることが多い。そこで今回は,テーマを見つける事から,実験プリントの作成,試薬の調製までを生徒の手で行うことと,発表で使用するスライドを,コンビュータを用いて作成し,デジタルビデオの映像も利用して,通常のOHPにはない動きのあるものにすることに主眼を置いて,実施してみた。
012306
1002 興味・関心を高める環境教育〜田宮川の水質調査を通して〜 中村 真理   徳島県立徳島中央高等学校
 現在,学校教育において環境問題に関する内容が多く扱われている。しかし,その多くは環境汚染の事例や保全に関する一般論などが多く,環境の現状を自ら測定し認識する活動が少ないように思われる。そこで,身近な環境に興味・関心や問題意識を持たせるために,河川の水質調査を昨年度より授業に取り入れた。調査を通して変化していった,生徒の環境に対する考え方や態度について報告する。
012307
1002 化学課題研究としての河川水質検査 二町 弘志   山口県立徳山高等学校
本校では,3年化学の最後として,理数科1クラスを対象に課題研究を行っている。内容は,18年前から行っている島田川の水質検査であり,1つの河川を15回にわたって調査してきた。調査項目は,濁度・pH・酸度・アンモニア性窒素・硝酸性窒素・塩化物イオン・硫酸イオン・COD・硬度・リン酸イオンの10項目である。これらの実験内容と,課題研究としての位置づけを報告する。
012308
1000 ゴミ袋から炭酸カルシウム 高木 春光   東京郁立大森東高等学校
化学で環境を取り扱う身近な教材として、東京23区で推奨している"炭酸カルシウム30%混入ポリエチレン製ゴミ袋"を取り上げた。炭酸カルシウム、ゴミの中の塩素、ダイオキシン等について事前学習する。次に、実験でゴミ袋中の炭酸カルシウムを、酸化カルシウムに熱分解し、石灰水を作る方法でその存在を確認する。さらに、なぜ自治体は推奨しているのか。その答えを探す中で環境について考え、行動に移すきっかけを与えようと試みた。
012309
500 『化学は面白い』と実感させるために−有機化学からのアプローチー 井上  生   愛媛県立八幡浜高等学校
身の回りに存在する化学物質、特に有機化合物に関する実験を通して、生徒の興味・関心を引き起こすことのできる実験について今までの実残を報告する。身の回りの物質(黒砂糖、ミカン、フィルムケース、コーラ、パセリなど)を実験に用いることで、生徒の驚きや感動を喚起することができ、『化学は面白い』と、実感させることができた。