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発表者
062101
1300
光触媒効果をデジタルカメラで見る宮城県第一女子高等学校  佐藤 龍哉
[要約] 最近、光触媒効果という言葉をよく耳にする。光が当たるとセルフクリーニングや超撥水などの性質が現れるという驚くべき現象だが、これを視覚的にとらえることができないかと考えた。また本当に光のオン・オフで急激に性質が変わるのかも知りたかった。そこで酸化還元試薬であるメチレンブルー溶液を用いて色の変化をデジカメ写真に撮って反応をとらえることにした。  [305,1101,1301]  [キーワード] 酸化チタン TiO2 酸化還元反応 メチレンブルー
062102
400
化学反応式の指導岩手県立盛岡北高等学校  佐藤 琢夫
[要約] 教科書等に登場する沢山の化学反応式。生徒はこの化学反応式にたいして、どのような思いでいるのだろうか。科学として化学を教えている者として、丸暗記で覚えるしかないと思っている生徒たちに、ルールをもとに系統立てて化学反応式を整理することを試みた。  [300,500]  [キーワード] 系統的 ルール 暗記 酸・塩基 イオン化傾向 酸化還元
062103
800
考査問題のカラー化と化学実験の学習理解
− 高画質カラープリンターを利用して −
宮城県第三女子高等学校  中村 伊知郎
[要約] 従来の単色印刷の考査問題は、生徒が化学実験を通して学習した内容を身に付けているか正しく判断できない可能性がある。化学実験の結果をカラー画像にして組み込んだ考査問題と、単色印刷の考査問題を生徒に取り組ませ、正答率の違いを分散分析や相関分析を使い調べたところ、カラー画像を使うと明らかに正答率が高くなった。また、カラー画像の有無や、化学実験の特色、生徒の意識が、正答率と関係が深いことが分かった。[801,802,804] 
 [キーワード] 考査問題 カラー 化学実験 学習理解 分散分析 相関分析
062104
1202
日常生活に関連した化学の指導−鏡つくりを通じて−岡山県立岡山城東高等学校  中尾 浩
[要約] 日常生活と化学との関連について明確に意識し,実験を通じて理解させながら化学を指導する実践として,鏡つくりの生徒実験を長年行ってきた。その内容を報告する。グルコースを還元剤として用いた銀鏡反応によりスライドガラスを鏡にする。一人一枚「マイ鏡」をつくらせることにより,生徒に銀鏡反応をより身近に感じさせることができた。  [キーワード] 日常生活 鏡 銀鏡反応
062105
305
光と音を使った酸化還元反応説明装置の制作と活用宮城県気仙沼向洋高等学校  菅野 久平
[要約] 従来から理解されにくいと考えられている酸化還元反応と電子の授受の関係を光りと音を使って、わかりやすく説明する装置の制作とその活用例の紹介および酸化還元反応における、半反応式の表す意味をモデル化することによって理解を深める工夫を試みた。  [キーワード] 酸化還元反応 電子の授受 電池 電気分解 半反応式 酸化剤・還元剤
062106
203
濃度の授業展開 −死海の水から豆腐・トラウベの人工細胞− 埼玉県立大宮武蔵野高等学校  岩田 久道
[要約] 濃度の授業として、塩類を混ぜ人工海水を作ると同時に死海の水との比重の相違を学習させた。海水と死海の水のイオン組成の相違に基づき、死海の水から豆腐が作れることを学習し、イオンの働きによる塩析を体験させた。水和水を含む溶液の調整法を学ばせると同時に硫酸銅(II)水溶液とヘキサシアノ鉄(II)酸カリウムからできる半透膜を利用し、浸透現象を体験させた(トラウベの人工細胞)。一連の濃度調整操作を通じ、濃度概念の定着をはかった。  [1201,1202] 
 [キーワード] 濃度 海水 死海の水 比重 豆腐 塩析 トラウベの人工細胞 水和水 半透膜 浸透圧
062107
1202
火山灰土の簡易的な確認法宮城県石巻商業高等学校  木川 直人
[要約] 生徒に身近な事柄で「化学」の知識が活かせることを教えると、生徒の理科に対する興味が高まる。そこで、本校校庭の土壌断面調査を行い、校庭の成り立ちについて考察した。本校は川辺に位置するが、砂の層に挟まれた火山灰土と思われる黒色土層が確認された。そこで火山灰土であるかを判定できる「活性Alテスト」を行った。身近な校庭を調査することで理科に興味を示し、校庭の成り立ちについて生徒自ら考えさせることができた。  [1002] 
 [キーワード] 活性アルミニウムテスト 土壌断面調査 簡易的な実験
062108
301
融解熱の測定 − オストワルト"化学の学校"より −長野県豊科高等学校  巣山 和人
[要約] オストワルト"化学の学校"に示された水の融解熱の測定を、生徒実験として行った。誤差の原因をその場で検証できる簡便でわかりやすい実験である。  [201,806]  [キーワード] 熱化学 融解熱 オストワルト
062109
1203
色素増感太陽電池の教材化への試み大阪府立北野高等学校  堀川 理介
大阪府教育センター  宮本 憲武
茨城大学教育学部  山本 勝博
[要約] 増粘剤としてポリエチレングリコールを用い,ガスバーナーで焼き付ける方法で色素増感太陽電池を作製し,その性能を検討した。その結果,約0.4Vの電圧,約10mAの電流値が得られた。また,クリップモーター及び電子メロディを用いてその動作確認を行うことができた。さらに,生徒実験で本教材を扱うため,時間短縮のための工夫,動作確認法の検討を行った。  [305,1004,1301]  [キーワード] 色素増感太陽電池 酸化チタン(IV) ポリエチレングリコール 教材化

 062110

505
糖類の定性反応 −未知糖類の判別試験を利用した糖類の学習− 東京都立高島高等学校  小野 寿久
[要約] 糖類の学習について,発展的な内容の生徒実験として未知糖類の判別試験を実施した。バーフォード反応,セリワーノフ反応といった,高等学校で扱わない定性反応を利用したが,生徒自身がいろいろと考えて実験に取り組むことができ,また糖類に関する理解も深まるなど利点も大きい。  [キーワード] 糖類 バーフォード反応 セリワーノフ反応 未知糖類の判別


062111

1104
Excelを使った化学埼玉県理化研究会 化学研究委員会 マルチメディア班
埼玉県立川越工業高校(定)  小倉 毅 他
[要約] Excelで表現できる化学はどのようなものがあるか色々考えてみた。 
 [キーワード] Maxwellの速度分布 イオン化エネルギー イオン結合性の物質 希薄溶液の性質 再結晶 気体の状態方程式 炭化水素の燃焼式 中和滴定 反応速度 分子量・式量 溶解度曲線


062112

801
中学校理科と高校理科の連携 ―イオンを教えるために− 富山県立福岡・石動・となみ野高等学校  
嶋本 美智代 ほか
[要約] 中学校では記述のない「イオン」を高校化学でどのように教えるかを検討し、50分の授業プランを立て実施した。そして、授業前・直後・1ヶ月後に小テストを行い、この授業でどれだけの効果があったのかを考察したところ、一定の成果を収めることができた。しかし、時間が経つと効果が薄れることもわかった。いかにイオンの定義や電子の流れに対する理解を定着させるかが今後の課題である。  [103,804]  [キーワード] イオン 電子 電解質・非電解質 50分授業プラン


0622
01

303
化学平衡における実験教材としての臭素宮城県仙台第一高等学校  藤川 卓志
[要約] 臭素は褐色の液体だが、水に溶けてイオン化すると無色になる。この性質を用いて視覚に訴える化学平衡の実験教材を開発した。臭素水にヘキサンを加えると、無極性分子である臭素の多くはヘキサンに移動し、平衡状態になる。そこに水酸化ナトリウム水溶液を滴下すると、化学平衡は臭素のイオン化に傾き、有機溶媒も含めて無色になる。また、希硫酸を加えると、水溶液中に臭素が生成し、その多くがヘキサン側に移動するため、褐色が濃くなる。  [403]  [キーワード] 臭素 化学平衡 極性


0622
02

402
ルーエマン紫を用いた金属イオンの識別
−反応魚拓紙(ギョタックル)利用簡易識別法−
茨城県立水戸第一高等学校  根田 修
[要約] 金属イオンの確認方法としては,炎色反応がある。しかし,アルカリ金属やアルカリ土類金属等の軽金属イオンがその対象であり,重金属イオンの確認については,特に方法が無い。ニンヒドリン反応で発色するルーエマン紫を金属塩の溶液で処理すると色が変わり,しかも金属イオンの種類によって色調が異なることを見出した。そこで,反応魚拓紙(ギョタックル)を利用して金属イオンの識別を試み,教材化できることがわかったので,結果を報告する。 
 [キーワード] 教材開発 金属イオンの識別 ルーエマン紫 ニンヒドリン反応 反応魚拓紙


0622
03

306
配線コード不要の電気分解・鉛蓄電池 〜手軽で簡単な実験方法〜 東京都理化教育研究会化学専門委員会
東京都立科学技術高等学校  摂待 宏文
[要約] 小型で透明なケースを用いた、配線コード不要の手軽で簡単な電気分解や鉛蓄電池の方法を考案した。この装置は、配線がないので、実験操作が簡単なだけでなく、実験操作の目的を把握しやすく、短時間でいくつもの電気分解ができるとともに、電解液がこぼれにくいので教室でも実験できる。  [キーワード] 電気分解 鉛蓄電池 鉛筆の芯 燃料電池 発光ダイオード


0622
04

1000
実験における危険行為の認識四天王寺羽曳丘高等学校中学校  高野 裕恵
[要約] 理科の実験には事故につながる危険性が含まれる。そこで、実験に入る前にHazards Drawing(危険図)を用いた授業をおこなうことにより、生徒に実験における「危険」について認識させ、実験に生かすことができるかを考察してみた。また、危険図の授業をした学年としていない学年、中学生と高校生の認識の違いなど、そこから実験時にどのような差がでるかも比較検討してみた。  [1005]  [キーワード] 理科実験 危険 危険図 中学生 高校生 理科教育


0622
05

1400
水産高校の紹介宮城県鹿島台商業高等学校  北條 大輔
[要約] 宮城県水産高等学校は,今年創立110周年を迎える歴史と伝統にあふれた学校である。さらに,国内有数の規模・設備を誇り,全国の高校で初めてHACCPを取得するなど水産県宮城を背負う人材の教育拠点となっている。しかし,普通教科の先生方にはあまり知られていない。そこで,水産・海洋高校について,4年間の在任期間で分かったことや,学科改編によって新しくなった宮城県水産高等学校を紹介する。  [304,306]  [キーワード] 水産高校 HACCP


0622
06

202
階段を使ったボイルの法則の実験と蒸気圧の測定東京都立青山高等学校  吉田 工
[要約] 水銀の代わりに水を使ったボイルの法則の実験と蒸気圧測定実験の紹介。ボイルの法則の実験では,水銀の扱いは面倒であり,できれば使用したくない。水銀の代わりに水を使用すると,圧力を稼ぐために高さが必要になる。そこで,階段を利用して実験を行った。この実験は,装置・換作が非常に簡単で,かつ精度もよい。装置の使い方と結果処理を工夫すると,正確な蒸気圧測定を行うことができる。  [キーワード] ボイルの法則 蒸気圧 水銀 全圧 定量実験


0622
07

305
消えてしまったインクの話大阪府立八尾翠翔高等学校  黒瀬 雄士
[要約] 万年筆のブルーブラックインクは、鉄イオンが空気中で酸化することを利用しつくられてきた。生徒自身がインクをつくることで、酸化還元反応や陽イオンの学習に興味を持たせることを目的とした。教材化にあたっては、没食子酸と硫酸鉄(II)を用い、ブルーブラックインクからインク消しまで、簡単な操作で、短時間に、失敗なく、本物に近いものをつくる方法を開発した。 
 [キーワード] ブルーブラックインク 万年筆 没食子酸 インク消し お歯黒


0622
08

403
高校教育におけるフラーレン(C60)の指導法宮城県仙台第二高等学校  渡辺 尚
[要約] 炭素の同素体であるフラーレンについての教育事例を報告する。フラーレンの模型に関しては教室内・教室外で多面体としての特性の理解を深め、生徒の興味を沸かせることができた。またフラーレンを用いて化学実験を行うことが可能であり、フラーレンの付加反応・昇華反応・結晶化・炭素の溶出反応など私の実践例を紹介する。 
 [キーワード] フラーレン ジャングルジム 昇華 炭素 同素体


062209

403
亜硫酸水素ナトリウムを調べる東京都立武蔵野北高等学校  守本 昭彦
[要約] 亜硫酸水素ナトリウムを用いた硫黄の化合物と単体およびコロイドに関する実験教材,さらに亜硫酸水素ナトリウムと亜硫酸ナトリウムとの性質の違いを調べる実験教材を工夫したので紹介する。  [204,305] 
 [キーワード] 亜硫酸水素ナトリウム 亜硫酸ナトリウム 二酸化硫黄 硫黄


062210

306
簡素な構造の燃料電池の作製 ーステンレス製茶こしを利用して─ 東京都理化教育研究会化学専門委員会
東京都立新宿高等学校  臼井 豊和
東京都立八王子東高等学校  貝谷 康治
[要約] ステンレス製の茶こし2個を白金めっきして簡素な構造の燃料電池を作製した。水素が発生しているコニカルビーカーの上に載せるだけでソーラーモーターを回転させることができ,水素を上から当てる工夫で約10分間回転した。水素の供給には飲料缶のプルタブや洗びんの部品を利用した。電気分解を利用する装置と異なりコンデンサーとの誤解が生じず,正極・ろ紙・負極のみの簡素な構造は,燃料電池への興味・関心を高めるのに役だった。 
 [キーワード] 燃料電池 茶こし ステンレス網 白金めっき 洗びん プルタブ


062211

905
格子変換可能な結晶モデルの作成東京都立国分寺高等学校  溝口 克彦
[要約] 金属結晶が、温度により結晶格子を変換することは良く知られているが、イオン結晶においてもそのようなことが行われる。このことを考えると、結晶構造を扱う場合、それぞれの結晶格子を単独のものとして教えるのでなく、結晶格子どうしの相互関係に着目した捉え方が必要になる。そこで、同一の結晶格子モデルで、それぞれの結晶格子の関係を示すことが出来るような、層の移動が可能なモデルを作成したので、紹介する。  [キーワード] 結晶モデル 金属結晶 イオン結晶 結晶構造変換 モデル作成

062301

100
ダイヤモンドの単位格子兵庫県立北須磨高等学校  寺岡 一夫
[要約] ダイヤモンドの結晶は中心と四つの頂点に炭素原子を持つ正四面体の積み重ねとして示されることが多く、この正四面体が単位格子であると誤解されやすい。実際の単位格子は、この正四面体4個で構成されるものである。A5版の大きさに切り揃えた広告のチラシを使って5分ほどで折れる正四面体の折り紙があり、これを4個使ったダイヤモンド単位格子模型を授業時間内に完成させることができる。  [103,1200]  [キーワード] ダイヤモンド 結晶 単位格子 正四面体 基本格子 折り紙 空間充填率

062302

999
ジェリーキャンドルを使ったアルカリ金属やハロゲンなどの実験東京都理化教育研究会化学専門委員会
東京都立駒場高等学校  田中 義靖
[要約] 金属ナトリウムを流動パラフィン中で加熱することで金属光沢を観察する実験があるが、その実験を少し硬めのジェリーキャンドル(成分はパラフィン)中で行ってみたところ、金属ナトリウムをより安全に扱えるようになり、更に、ナトリウムとカリウムを混合した金属を観察できるようになった。また、このジェリーキャンドルをハロゲンの実験などにも用いてみたので、ここに報告する。  [401,403,599]  [キーワード] アルカリ金属 ハロゲン 易融合金 パラフィン ジェリーキャンドル

062303

306
水素を使わない安全な燃料電池の研究宮城県仙台東高等学校  野田 良彦
[要約] 燃料電池は教科書の記述としてもよく見られるようになり、入試問題でも散見されるようになってきたが、実験装置としては水素ガスを使用することや、白金電極を用いる実験キットがほとんどであり、「安全面」「価格面」で問題が多い。そこでより安全で使いやすい還元物質である「メタノール」「ビタミンC」また正極の酸素の反応極として「備長炭」を、負極は白金を活性炭表面上に電着させることで安価で安全な「水素ガス」を使わない燃料電池の製作を行った。  [305] 
 [キーワード] 燃料電池 メタノール ビタミンC 備長炭 白金電着 活性炭

062304

901
デジタルコンテンツを利用した化学教材大阪府立茨木高等学校  池田 昌子
大阪府立北野高等学校  原田 公彦
[要約] 2年前から継続して化学の授業にデジタルコンテンツを利用することを提案し,多くの賛同を得てきた。今回は,今までの議論を踏まえて,これらコンテンツの利用上の注意点を再確認するとともに,コンテンツ製作の膨大な時間と労力を緩和し,少しでもよりよい教材を作成するため,多くの研究会から出版されている実験書のように,CGについても公開され,共有できるようにしていくことを提案する。  [キーワード] デジタルコンテンツ アニメーション 教材開発 効果と注意点

062305

1000
低価格簡易水質検査法の研究愛媛県立東温高等学校  大原 聡
[要約] 河川水や雨水の水質検査をするとき、簡易測定法(パックテスト)がよく用いられるが、比較的高価なものである。そこで、多数のサンプルを安く簡単に測定できる方法について研究した。富栄養化に関連するリン酸イオン及びアンモニア態窒素について、簡易測定のための混合試薬を開発し、市販されている商品を購入するよりも、費用を1/20以下に抑え、その精度も吸光光度計の公定法で有効であることが確認できた。  [605,1002,1004]  [キーワード] 水質検査 低価格 簡易測定 公定法 リン酸イオン アンモニア態窒素

062306

700
ジャマイカ国における理科授業の実践宮城県佐沼高等学校  木戸 かおり
[要約] 青年海外協力隊(理科教師)として2年間、ジャマイカ国で、ジャマイカ人の子どもたちとその教員たちを対象に理科の指導を行った。ジャマイカでは、異文化を互いに理解する努力をしながら、ジャマイカの文化に合わせた理科授業の実践と実験方法の開発を行った。ジャマイカについて知るとともに、日本の理科教育や文化の素晴らしさにも気付くことができた。  [705]  [キーワード] ジャマイカ 青年海外協力隊(理科教師) 身近なモノを用いた実験 Hands on Science

062307

1202暮らしの化学としての化学II実験の利用四天王寺高等学校  谷本 幸子
[要約] 生徒たちの化学離れが問題になっている。新課程では,化学IIの中に「生活と物質」・「生命と物質」という選択が導入されているが,実際には,化学IIの内容を学ぶ生徒は少ない。化学を日常と遊離した物としないために,化学IIの実験を生かして身近な化学を理解し興味関心を喚起する必要があると思われる。ここでは,その例として再生繊維である銅アンモニアレーヨンの合成実験が非常に手軽に行えるようになったので報告する。  [1203]  [キーワード] 化学II 実験 身近な化学 銅アンモニアレーヨン

062308

306
電気分解による合金の成分の確認東京都理化教育研究会化学専門委員会
東京都立羽田高等学校  小林 寛和
[要約] 合金の性質について理解を深める実験の一例として,電気分解を用いた方法を検討した。使用した合金は,黄銅,洋白,ステンレス及びハンダである。陽極を各合金,陰極を炭素棒,電解液を硝酸アンモニウム水溶液として電気分解を行い,その様子を観察した。陽極における変化と電解液の変化とから,どのような成分が溶出したのかを推定することができた。 
 [キーワード] 電気分解 合金 黄銅 洋白 ステンレス ハンダ 電解液

062309

1004
超臨界二酸化炭素に関する演示実験
−グリーンケミストリーの化学教育実践−
茨城県立牛久高等学校  七澤 英樹
[要約] 生態系に与える影響を考慮し,持続成長可能な化学工業のあり方を提言する環境運動としてグリーンケミストリーがある。その中で,環境負荷低減,脱有機溶媒化などに貢献可能な新しい流体として注目され,教科書にも発展的内容として取り上げられている超臨界流体について,高等学校の限られた設備の中で,大掛かりな実験装置を使うことなく,二酸化炭素を超臨界状態にし観察演示実験を行うとともに,グリーンケミストリーという新しい時代の化学教育に関して実践した。  [1004,1202,1203]  [キーワード] グリーンケミストリー 超臨界流体 環境教育 二酸化炭素

062310

1202
紅花から学ぶ化学の授業実践例埼玉県立坂戸高等学校  山田 暢司
[要約] 紅花の栽培から染料採取、染物作品の製作を通じ、酸塩基反応、酸性度、天然染料と繊維、金属イオン、分離抽出操作など、幅広く化学の概念を学ぶ授業の実践報告。  [304] 
 [キーワード] 酸塩基反応 酸性度 天然染料と繊維 金属イオン 分離抽出

062311

402
金属片(Ag,Cu等)を加えることで生じるターンブルブルーの研究(大阪)私立大谷中・高等学校  西田 哲也
[要約] K3[Fe(CN)6]水溶液にFe2+の含まれた水溶液を加えると濃青色沈殿ターンブルブルーが生じるが,K3[Fe(CN)6]水溶液にFe3+の含まれた水溶液を加えると暗褐色水溶液となる。この暗褐色水溶液に金属片(Ag,Cu等)を加えると,金属表面からターンブルブルーの生成していく変化が明瞭に観察でき,教材として面白いので紹介する。小型スクリュー管を使うことで,少量の試薬ですみ,美しい色の変化が短時間で直接観察できる,知的好奇心をそそり,鉄元素の性質が理解できる。  [305,406,801,807]  [キーワード] 青写真 ターンブルブルー プルシアンホワイト 濃青色沈殿 銀片 Fe3+ Fe2+ 還元

062312

1400
「金」の授業岩手県立水沢高等学校  高橋 匡之
[要約] ここ数年、3年生では、「金」をテーマに授業をしている。今春は、アメリカのノースカロライナ州立理数高校の生徒が来訪し、我がクラスにも来て頂いた。前日には、中尊寺を訪れていることもあり、この金の授業がどの程度受け入れていただけるか、ワクワクしながら授業に望んだ。日本の高校生も、アメリカの高校生も、楽しんでくれた。アメリカの高校生から、もう少し、つつこんだ感想文をいただきたかったが、時間の関係でどうしようもなかった。水沢高校の生徒諸君は、化学物質と社会の関連についても言及する生徒が多く、「金」を通して化学物質の多面性を理解してくれたと思う。