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分類 | テーマ ( 要約のあとの [ ]内の数は補助分類番号 ) |
発表者 |
061101 | 21 | 「力学的エネルギーの保存則」を計測値で実証する試み《物理I》 |
宮城県伊具高等学校 奥寺 典浩 |
[要約] 「同じ高さに戻るから」等の半抽象で説明するのではなく、ズバリ、斜面の上での位置エネルギー値と下での運動エネルギー値が、納得できる精度で一致することを実験で示し、具体的に「保存則」証明を行った。またエネルギーの分野では、単元配列を大きくくずし、なるべく具体的事項から核心へと向かう自作テキストによる授業を行っている。[03] [キーワード] 実験法開発 斜面での力学的エネルギーの保存 実測値での検証 | |||
061102 | 66 | GHz帯域電界強度計の教材化 | 北海道小樽工業高等学校 菅原 陽 |
[要約] 簡易な電波受光素子(光るアンテナ)を作製して、携帯電話を電波発信源とする受信強度を測定することができる。その測定の工夫とアンテナの種類による測定の例や水の影響等を考察した。さらに、ハンダを使わないで受信素子を作製する工夫を紹介する。mV測定可能なデジタルマルチメーターがあれば、その周辺のノイズ対策を施し電波受信強度を数値測定できる。 [13,31,32,42,43,65] [キーワード] 光るアンテナ DMMのmV測定 ハンダなしで作製 八木アンテナの指向性 ノイズ対策 | |||
061103 | 04 | 物理法則の偉力を実感できる演示実験 −水平投射でホールインワン− | 岩手県立千厩高等学校 村上 弘 |
[要約] 斜面を転がって水平に飛び出させた小球を、目標となる円筒に放り込む、ゲーム性を取り入れた水平投射の実験を行っている。初速度を自作の速度計で計測し、生徒には円筒を立てる位置を計算させる。高い確率で成功することから、生徒に物理法則の偉力を実感させることができ、この後の物理の学習に対する学習意欲を高めるのに役立っていると感じている。[11,95] [キーワード] 教材開発 水平投射 ワンチップマイコン 速度計 | |||
061104 | 04 | 貼ってみよう何でも実験
―黒板に貼って見せる実験の紹介― | 東京都理化教育研究会物理専門委員会 東京都立小平南高等学校 佐藤 功 |
[要約] 演示実験を生徒に見せるとき、教室へは大きな実験道具を運ぶことができず、教卓の上で行う実験も生徒の席からは見づらい。よく知られている実験も含めて、いくつかの演示を黒板上に貼り付けて見せられるように工夫してみた。「モーメントのつり合いを見せる実験」「水平投射と斜方投射を見せる実験」「電圧・抵抗と電流の関係をレール上で転がるビー玉にたとえて見せる実験」「スモークレンズで屈折するレーザー光の光路を見せる実験」を紹介する。 [11,14,43,54] [キーワード] モーメント 水平投射 斜方投射 オームの法則 等速円運動 光の屈折 | |||
061105 | 79 | 高大連携−出前授業の報告 | 宮城県仙台第二高等学校 戸田 慶三 |
[要約] 物理現課程における原子・前期量子論の現代物理分野の取扱いは、教科書においても旧課程に比して詳しくなっているものの、単位数の制約のために気体分子運動論・熱力学分野との選択になっている。本校物理科では選択はせず双方とも授業で扱うが、そのため十分に指導する時間の割けない放射線について、東北大学大学院工学研究科の協力を得て、放射線の飛跡の観察が確実なオリジナルの霧箱を用いた出前授業を実施し、授業の効率化を図ってきた。 [84] [キーワード] 高大連携 出前授業 放射線 霧箱 遮蔽 | |||
061106 | 01 | 対話を中心に展開する物理の授業
生徒の意欲を引き出す要素を考察する | 東京都立大森高等学校(定時制課程) 吉倉 弘真 |
[要約] 基礎学力が低く、学習に対する知的興味や目的意識が低い生徒に対して、どのようにすれば意欲を引き出すことができるか、これは工業高校で15年、定時制高校で21年間理科教育に携わってきた私にとって、一貫した課題であった。ドイツで対話を中心に進める授業を視察した経験から、生徒自身が授業(学習)を形作っている一員(主体)だと実感できることが何よりもまして生徒の意欲を引き出す基本的な要素だと確信し、対話の授業を行ってきた。 [キーワード] 意欲を引き出す 対話を中心に 生徒の居場所 先生のまとめプリント | |||
061107 | 00 | 物理量の単位の取扱について | (大阪)私立・四天王寺高等学校 川内 正 |
[要約] 電力Pという表現では、記号Pには単位が含まれている。しかしながら、物理学の初学者である高校生にはこの表現はわかりにくい。それぞれの物理量の概念が十分にできていないからである。高校生には物理量を示すときには、常に単位を付記する表現を提案する。これは、物理量が数値と単位が組み合わさったものであることを否定するものではない。また、単位を付けた計算の意図と矛盾するものではない。逆に、単位の重要性をより認識させるものである。記号に数値と単位が含まれるという扱いは物理系の大学教育以降で行うことが好ましい。 [01] [キーワード] 物理量 単位 単位を付けた計算 高校物理教育 物理系の大学教育 | |||
| 13 | 音でワイングラスを割る! | 秋田県立湯沢商工高等学校 小田部 泉
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[要約] 物体はそれぞれの固有振動数をもち、その振動数の外力が加わると共振現象をおこす。ワイングラスやビーカーにその固有振動数と同じ振動数の音波を当てることによって共振を起こさせ、これらのガラス製品を破壊する実験を行った。デモ実験として効果的であるので報告する。 [03] [キーワード] ワイングラス 音波 共振 共鳴 固有振動数 割れる | |||
| 40 | 音の学習 | 宮城県名取北高等学校 黒澤 伸一 |
[要約] 物体の振動から生じる音について,身近なものを使って学習した。ワイングラスの振動を指先で感じる。低周波発振機で音の高さと振動数の関係を知る。金属棒をこすって音を出してみる。メロディーパイプに風を送って開管の定常波(倍振動)を調べるなどである。4本のメロディーパイプを使って見事に曲を演奏した早野凡平さんの巧みな技も紹介したい。 [04,41] [キーワード] 音 振動 メロディーパイプ 低周波発振機 ワイングラス 金属棒 | |||
| 10 | 翼にはたらく力と往復翼おもちや | 茨城県立土浦工業高等学校 小林 義行 |
[要約] 翼の原理の応用例は身近に多数あるが、教材として用いられることが比較的少ない。翼の原理の応用に関する実験としては、風車やブーメラン、紙ヒコーキ等があるが、これらは回転系のモーメントや相対速度や運動の安定性など複数の内容が同時に関連するので、遊ぶには楽しいが、良く理解するには難しいということがある。この論文では、まず翼にはたらく力を静的に視覚的に確認するための装置を提案する。さらに単純で理解しやすい揚力利用の例として、往復翼(振動翼)を利用した教材おもちやを紹介する。 [14,15] | |||
| 04 | LAN(XPort)を使用した物理実験データの取り込みについて | 岩手県立黒沢尻北高等学校 小野寺 正喜 |
[要約] 物理実験機器(PICなど)からパソコンへデータを送るとき、RS232Cのシリアル転送は大変便利である。しかし、シリアルケーブルのデータを送る長さの限界や、LANよりもシリアルのケーブルや増設ポート機器が入手しにくい等の問題がある。最近注目されているシリアルとイーサネットのXPort変換キットを使い、シリアル経由でデータ転送していた物理実験の測定機器からLAN転送を行うことが可能になった。 [05] [キーワード] Xport シリアル データ転送 物理実験 PIC | |||
| 15 | 計算を使わない運動方程式 | 宮城県宮城広瀬高等学校 田中 敏公 |
[要約] 分かる授業を実践するための指導方法,教材等の工夫をおこなった。数値の扱いが苦手なために物理に興味を失っている生徒が存在する。計算に対してコンプレックスを持っている生徒を意識しながら,物理Iの授業において運動方程式が直感的に分かるような工夫をした。プロジェクター,パソコン,距離センサーや定力装置などを使うことによって,視覚的,体感的に理解できるような取り組みを授業を行った。 [03,95] [キーワード] 分かる授業 計算力 運動方程式 v-tグラフ 距離センサー 定力装置 | |||
| 04 | 簡易型ストロボ装置の製作と活用 | 岩手県立盛岡第一高等学校 戸田 公夫 |
[要約] 最近安く流通するようになった高輝度白色発光ダイオードを使用して、安価で手軽に製作できる簡易型ストロボ装置を考案し、製作してみた。演示実験でストロボ装置を活用する場面は多いが、その時々で発振部への発光ダイオードの接続の仕方を工夫することにより、十分に実用が可能である。 [03,10,30] [キーワード] 教材開発 ストロボ装置 運動の表し方 弦の振動 | |||
| 30 | 教養物理作図&実験集 | 東京都立練馬高等学校 橋本 道雄 |
[要約] 3年生の自由選択、教養物理I(2単位)で波動分野に関して、作図と実験を中心に筋の通った授業を目指した実践報告。波の進み方立体モデルを作成し学習の動機付け。振動の周期を脈拍で測定し、振動を体験。この後、振動が伝わる様子を横波と縦波について作図する。次に、ウエーブマシンを製作し、波の干渉、波の反射、定常波をウエーブマシンで観察。この後、波の干渉、波の反射、定常波について作図。音について、クインケ管で干渉実験。気柱の共鳴実験。カード・オカリナ製作。ドップラー効果で締めくくった作図&実験集である。 [31,32,33,41,42] [キーワード] 波の進み方立体モデル 縦波の進み方の作図 オシロスコープで音を見よう | |||
061207 | 14 | 『紙飛行機の製作・滞空時間測定』の授業を行って | 宮城県黒川高等学校 宮本 智 |
[要約] 少しでも多くの生徒に物理の世界への興味関心をもたせたいと考えていました。その取り組みの一つとして『紙飛行機の製作・滞空時間測定』を行ってみました。生徒一人ひとりがケント紙から部品を切り抜いてボンドで接着し,自分の紙飛行機を製作しました。その後,紙飛行機を実際に飛ばして滞空時間を競いました。重力や揚力など紙飛行機に働く力から「物体に働く力」,「力のつりあい」,「重心」などを考えさせる材料にもしました。 [キーワード] 紙飛行機 ものづくり 物体に働く力 力のつりあい 重心 | |||
| 23 | 気体変化をビジュアルに示すP-V-T立体グラフ教材 | 福井県立高志高等学校 鈴木 秀明 |
[要約] 理想気体の様々な変化において圧力、体積、温度がどのように変化していくかをビジュアルに示し、効率よく授業が展開できるように立体的なグラフ教材を開発した。立体グラフを用いることで気体の変化を直感的にイメージできるようにし、入試へも対応させることができた。 [04,95] [キーワード] 教材開発 理想気体の変化 ビジュアルな立体グラフ | |||
| 44 | 簡易眼球模型の製作 | 石巻市立女子高等学校 西條 敏剛 |
[要約] 「凸レンズの実像」を手軽に見ることのできる教材,あるいは目の構造を理解するための教材として,簡易眼球模型I及びII」を考案し,生徒に作成させた。「簡易眼球模型I」は実像をとりあえず観察するための教材,「簡易眼球模型II」より実際の眼球に近い模型である。 [43] [キーワード] 教材開発 凸レンズ 実像 眼球模型 目の構造 | |||
| 00 | 楽しみながら学べる物理シミュレーションソフト集の製作 | 宮城県仙台第一高等学校 加藤 徳善 |
[要約] 楽しみながら学べる物理シミュレーションソフト集を製作した。これらは,実際の物体を扱うような感覚で直感的に操作でき,ゲーム性を持たせたものもあることから,主体的に楽しみながら学習を進めることができる。授業で使用した際の生徒の反応も良好であった。Javaアプレットとして製作されているので,ネットワークを通してインターネットブラウザ上で簡単に利用できる。 [04,05] [キーワード] コンピュータ シミュレーション 直感的操作性 Javaアプレット | |||
| 00 | 物理の授業における興味関心を引く取り組み | 兵庫県私立柳学園中学・高等学校 上田 善則 |
[要約] 青少年のための科学の祭典・淡路会場の準備委員会(通称「金曜会」と呼んでいる)の例会では、実験内容を互いに紹介したり、面白い科学のおもちゃ等を持ち寄ったりして、意見交換を行い工夫し合っている。その活動の中で、生徒が特に興味関心を引く教材として利用できるものが出来た。それを下の3つのカテゴリーに分類して紹介する。 a)
魅せる教材 b) 演出する教材 c) マジック風教材 [01,04] [キーワード] 青少年のための科学の祭典 魅せる 演出 マジック 教材 | |||
| 11 | 光電池を利用したPC時計 | 茨城県立境高等学校 岡野 道也
元・水戸商業高等学校 山崎 道弘 |
[要約] パソコンは用途にあったセンサーとソフトを使用することで、シンプルで様々な測定器にすることができる。また、テレビ、プロジェクターを使用すれば大画面で全員が同じデータを扱うことができる。今回はLED、光電池、「音声分析ソフト」を用いたPC時計で自由落下時間や斜面落下に要する時間測定を行う。 [15] [キーワード] LEDと光電池 音声分析ソフト デジタルオッシロ 音オッシロ 音時計 FFT(振動数分布) | |||
| 64 | 電磁誘導についての実験 | 宮城県古川高等学校 千島 博司 |
[要約] 電磁誘導の法則を、定性的及び定量的に取り扱った。オシロスコープを使うことで生徒の関心は高かった。また、シンプルで身近なものを使った用具なので、生徒に自作させることができ、原理を理解させやすかった。磁束の時間変化が誘導起電力に比例するグラフが得られた。発展学習として、低速で安定した(ステッピング)モーターを利用し、ピックアップコイルの大きさを変えて波形を観察し、フェライト磁石の磁力線の様子についてした考察した。 [04,13] [キーワード] 電磁誘導 定量的測定 オシロスコープ 生徒自作 ステッピングモーター | |||
| 45 | 回折格子の実験と入試問題について | 岩手県立黒沢尻北高等学校 及川 純哉 |
[要約] 回折格子の実験は、よく入試問題で出題されている。その間題の中で、波長を変える、屈折率の異なるところで実験したとき変化を問う問題をみかける。そのような実験を、どのように演示実験をするかを試みた。 [キーワード] 教材開発 波の干渉 ヤングの実験 回折格子 |
| 04 | 物理のシミュレーションとビデオクリップの作成 | 学校法人清風学園 清風高等学校 豊田 將章 |
[要約] 私は,物理の授業における板書や実験を補完する目的で,概念図がアニメーションのように変化するシミュレーションや,実験の様子を編集・加工したビデオクリップを作成し,授業で活用している。シミュレーションとビデオクリップは,それぞれが持つ欠点を互いに補う関係にあり,両者の併用によって教育効果が飛躍的に高まったことを実感している。1998年に作成を始めてから今日に至るまでの取り組みと,作品の紹介を行ってみたいと思う。 [10,20,30,40,50,60,95] [キーワード] シミュレーション 動く板書 ビデオクリップ ビデオ撮影 ビデオ編集 | |||
| 65 | 交流回路の実験 | 宮城県田尻高等学校 勝又 信嗣 |
[要約] 実験1:交流電流は、コイル及びコンデンサーの入っている回路を流れるのか、流れないのか。これを調べる実験は、直流電流を流した場合と比較して行うが、装置が複雑で準備に時間がかかる。この実験を生徒実験で行うため、準備が簡単で、短時間でできる装置を作製した。実験2:電気共鳴は、ある周波数の交流電流がコイルとコンデンサーが同時に入っている回路に流れたとき生じる。この実験を生徒実験で行うため、鉄心を出し入れする可変コイルを作製し、家庭用電源からの50サイクル交流に共鳴するようにした。装置の作製費用はともに約3,000円で、それぞれ4台作製した。実験1、2とも所要時間は約20分で、途中、装置を交換し実験した。 [キーワード] 交流回路 電気共鳴 生徒実験 手作り 準備が楽 安価 | |||
| 84 | 実験で学ぶCTスキャナの原理 | 東京学芸大学附属高等学校 川角 博 |
[要約] セシウム137が出すガンマ線と放射線計測装置はかるくんを使って,中の見えない箱に隠された金属塊の配置を探る過程で、放射線に関する具体的な量を扱い,医療に欠かせないCTスキャナの原理を学び,その間題点についても考えさせた。難しいが知的なゲームの感覚で実験ができ,生徒の関心は高かった。 [96,97] [キーワード] セシウム γ線 シーベルト ベクレル はかるくん CTスキャナ | |||
| 01 | 生徒実験を分析しながらすすめる物理の学習 | 東京学芸大学附属高等学校 川角 博 |
[要約] 生徒実験により物理現象を調べ,そのデータに基づいて物理現象の仕組み・法則性を分析・理解し,法則を具体的な現象に演繹的に適用して応用的な理解をはかる学習を実践した。この学習の流れを具体例を通して紹介するとともに,ここで得られた具体的なデータを示す。 [00,11,15] [キーワード] 生徒実験 物理授業 運動の法則 動摩擦力 最大摩擦力 重力加速度 | |||
| 20 | 物理教育によるエネルギー環境教育の実践 | 北海道旭川東高等学校 萬木 貢 |
[要約] 「省エネルギー」という言葉は正確ではない。エネルギーには自由に使える自由エネルギーと、自由には使えない束縛エネルギーがある。熱機関の基本原理である熱と仕事の関係をわかりやすく説明するため、生徒にスターリングエンジンを製作させ、温度差が熱機関の駆動力であることを示すことができた。さらに寒冷エクセルギーを用いて、旭川市科学館の雪冷房システムを評価する要因と、その効果を定量化することを試みた。 [21,22,24] [キーワード] エクセルギー カルノーサイクル スターリングエンジン 雪冷房 |