コード |
分類 |
テーマ |
発表者 |
内容 |
補助分類 |
972101 |
101 |
色と光の化学 |
東京・都立野津田 吉田 工他 |
色が変化する実験は、 生徒に人気があり、 色を分光スペクトルとして観察すると美しく、さらに興味・関心が高まる。
スペクトルは授業であまり扱われなくなったが、 原子の電子の状態、 元素分析、
配位子、 分子構造の変化の教材に有用であり、 また、 大学等に進学後スペクトルを扱う機会が多くなる。
そこで、 光と色、 分光スペクトルについての一連のさまざまな演示実験を紹介する。〔キーワード〕演示実験、
色、 光、 回析挌子、スペクトル |
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972102 |
301 |
旋光性をみる −自作旋光計を用いたショ糖の加水分解速度の測定− |
東京・都立野津田 吉田 工他 |
ショ糖水溶液に酸を加えて70〜80℃で加水分解すると、 数分でほとんど転化糖になり旋光度が大きく変化する。
この変化を利用して、 反応速度を測定することを考えた。 今まである旋光計では室温でしか測定できないので、
湯浴につけて、 任意の温度で旋光度が測定できる装置を開発した。 この自作旋光計を用いて、
ショ糖の加水分解時の旋光度を測定し、 これより反応速度を算出したところ、 一次反応を示す直線のグラフが得られた。〔キーワード〕自作旋光計、
任意温度、 旋光度、 加水分解、 反応速度、 ショ糖、光フアイバー |
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972103 |
503 |
エステル化反応条件の検討 |
岩手・県立遠野 馬淵 祥介 |
高等学校の化学の教科書の中において有機化学は最後の部分に位置していることが多い。
そのため実験している時間的余裕がなく、 自分の経験からいっても板書した内容を暗記させてしまうような授業になってしまう。
化学の楽しさは教科書の内容を理解してテストで点数をとることよりも実験観察によって興味関心を喚起することにあると考える。
そこで高校の化学でもエステル反応が実験できないか、 反応条件や反応装置を検討した。〔キーワード〕有機化学、
エステル化 |
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972104 |
1200 |
化学TAで行う演示実験と生徒実験 |
岐阜・県立羽島 華井 章裕 |
平成2年度千葉大会で 「化学の授業に 『今日の実験』 を取り入れて」 を報告した。
その後、 転勤した現勤務校においても理科嫌いを助長させたくないと 『今日の実験』
を実施している。 「化学TA」 は日常生活と関係の深い化学的な事物・現象を通して、
化学的な見方や考え方を養う科目である。 したがって、 身近な身の回りの物質を用いた実験は生徒の興味と関心を喚起するに不可欠な要素であろう。
また、 不思議さや疑問を感じさせることによって自ら学ぶこころが養われるものと考える。
そこで、 『今日の実験』の中に、 身近な興味ある物質の実験をいくつか取り入れたので、
その結果を生徒のアンケートとともに報告する。 |
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972105 |
1200 |
スクールパークを活用した授業展開例A |
山梨・県立農林 一瀬 英史他 |
平成八年度、 山梨県の特色ある学校づくりの一貫として整備されはじめた
『緑のスクールパーク』 が本校に開園した。 このスクールパークを理科という教科において、
いかに活用できるのか、 ということを探る研究を行った。 化学分野においては、
土壌の酸性と植物との関わりについての学習を行う授業を展開した。 しかし、 屋外教室ともいうべきスクールパークの有効な活用方法は、
未だ研究段階にある。〔キーワード〕スクールパーク、 教材開発、 土壌の酸性化、
pH測定、 環境教育、 屋外授業 |
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972106 |
1002 |
簡易分析法による河川水中の陰イオン界面活性剤の調査 |
奈良・県立五條 西村 善守 |
環境問題が社会の重要な問題となっている現在、 水の汚染とその浄化能力を生徒に考えさせることは重要である。
以前にこのことを取り上げた放送番組をもちいて授業をしたところ、 興味や関心を高めることが出来た。
今回は、 調査や実験を行い科学的な実践を通して環境問題を考えさせるようにした。
具体的には陰イオン界面活性剤の簡易分析法を用いて河川水等の溶存洗剤量を求め、
汚染状況を調査した。 また、 細菌の浄化力についても検討中である。〔キーワード〕イオン検出と分離・確認、
環境調査 (大気、 水質、 地質等) |
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972107 |
303 |
生徒の驚く意外な反応について |
東京・都立練馬 荒井 繁 |
ヨウ素デンプン反応は強力な酸化剤ではヨウ素酸を生じ、 一度できた青紫が消滅する。
フノールフタレインはpH11以上では、 構造上の変化が起こり無色になる。 塩化銀は過剰の塩化物イオンにより錯イオンを形成し溶解する。
ヨウ化カリウム水溶液に過酸化水素を入れ酸性にすると溶液は褐色になるが、 塩基性では無色になる。
硝酸鉛水溶液にヨウ化カリウムをいれると黄色沈殿を生じるが過剰で溶解する。
この沈殿は冷却すると白く変わる。〔キーワード〕化学平衡、 酸・塩基とそれらの反応、
酸化・還元反応、 錯体 |
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972108 |
1200 |
化学の楽しさを実感させる実験例 |
秋田・県立本荘 伊藤 広美 |
「個を生かす授業」 として@各自の家庭のみそ汁の塩分濃度についてひとりづつ滴定実験を試みた。
結果は4クラス平均が1. 1%であり、 基準1. 0%を越えている家庭は少なかった。A酸性雨の原因になっているNO2を一人一人測定させて、
環境について考えさせた。 自分たちに郷土を守ろうとする姿勢が見られた。 「発展学習」
として、 こんぶのヨウ素を検出させた。 フラスコの中のピンクに昇華したヨウ素に生徒と一緒に感動した。〔キーワード〕個を生かす、
みそ汁の塩分、 大気中のNO2、 コンブのヨウ素 |
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972109 |
504 |
ベンゼンからアゾ染料の15分間合成 |
東京・都立城東 土屋 徹他 |
有機化合物の合成実験は、 反応時間がながくかかるのも考えられている。 しかし、
反応熱の利用や抽出・精製の物質 (手法) を工夫することにより、 合成時間を大幅に短縮することができる。
ベンゼンから出発し、 ニトロベンゼン、 アニリン、 アゾ染料の合成までを15分間で行うことができる。
生徒に質問しながらデモンストレーションを行うことにより、 生徒の知識の定着をはかることができ、
併せて50分間の授業で生徒実験も行うことが可能である。〔キーワード〕演示実験、
有機合成、 ベンゼン、 ニトロベンゼン、 アニリン、 アゾ染料 |
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972110 |
1301 |
郷土に関連した化学教育 |
佐賀・県立巖木 山口 明徳 |
ここ数年、 理科の教育効果を上げる方法として、 身近なものを利用した実験が報告されている。
そこで今回は、 郷土史の中に現れる科学 (化学) 的事項を授業や実験で取り上げ、
地域産業や環境との係わり合いを考えながら、 理科に親しませることを目的とした。
また、 本研究は幕末から明治初期の佐賀を題材にしたものだが、 他の地域でも郷土史の中に
「課題研究」 や 「探求活動」 のテーマとして適当な理科に関連した題材は数多くあると考えられる。〔キーワード〕化学教育、
鉄、 色素、 黒田チカ、 科学史、 郷土史、 課題研究、 探求活動 |
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972111 |
306 |
電解装置の製作と生徒実験例 |
茨城・県立水戸第一 萩谷 薫他 |
本校では、 教科書や実験書等で取り上げている電気分解の実験を、 生徒実験として行ってきた。
そのときに、 生徒たちにとって不都合な点がいくつか感じられた。 そこで、 次の点を重視して装置を製作した。
@極板の質量の変化量からファラデー定数が求められる。 A時間の経過とともに物質の変化量が求められる。
B繰り返し実験ができる。 この装置を用いて生徒実験を行ったところ、 他の電気分解の実験結果と同様な結果が得られたので報告する。〔キーワード〕電気分解、
白金電極、 硫酸銅 (U) 溶液、 ファラデー定数、 生徒実験、 教材開発 |
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972112 |
503 |
銀鏡反応による還元性有機物の検出 |
茨城・県立境 山中 孝男 |
還元性有機物の検出方法の一つである銀鏡反応は、 その美しさから生徒には人気の高い実験である。
教科書では、 ホルムアルデヒド水溶液を用いた実験が紹介されているが、他のアルデヒドやギ酸、
還元糖ではどうなるのか。 特に、 カルボン酸でありながら還元性を示すギ酸を使って美しい銀鏡を作れないものかと考えた。
また、 還元糖の作る銀鏡がとても美しいことからロッシェル塩を用いない鏡作りを通して生徒の興味・関心を高めようと試みた。〔キーワード〕銀鏡反応、
ギ酸、 還元糖、 鏡作り |
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972113 |
800 |
討論を通して多様な価値を葛藤させる学習効果−フロンの段階的な使用削減問題について− |
茨城・県立石岡第二 大塚 信幸 |
本研究の目的は、 フロンの段階的な使用削減問題について、 討論を通して多様な価値を葛藤させる教材を用いた学習を実践し、
その教育的効果を明らかにすることにある。 授業前後における生徒の思考の変化について、
本教材を用いた学習を行った実験群と学習を行わなかった統制群との結果を比較検討した。
その結果、 実験群では楽観的、 傍観的な理由を基にした二者択一的な思考から、
逆説の思考、 両論容認の思考、 真剣な思考といった多値的な思考に変容することが分かった。〔キーワード〕STS教育、
フロン、 クラス討論、 多様な価値、 多値的思考 |
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972201 |
201 |
パソコンを利用した食塩の融解に関する指導方法の研究 |
茨城・県立八郷 七澤 英樹 |
物質の状態変化の中で、 食塩の融解に関する指導方法の研究を行った。 プレテストによると、
多くの生徒は食塩を加熱すると焦げ、 その温度変化は時間がたつにつれ直線的に上昇すると回答した。
そこで、 安価で簡便な実験装置として、 ガストーチとマルチテスタ、 自作Windows
計測ソフトを使用し、 授業実践を行った。 その結果、 生徒たちの意欲・関心・態度や知識の定着など良好な変容がみられた。〔キーワード〕物質の三態、コンピュータの利用、
計測・測定・計算等 |
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972202 |
1400 |
大学入試問題の実験 |
岩手・県立久慈 佐藤 琢夫 |
毎年数多く、 実験に関係した問題が出題されている。 中には明確に思考実験のものや、実験の結果を踏まえずデスクワークだけのものもある。
今回報告する下記のものの中には、 私自身追試を行い 「さすが大学の先生だな」
と敬服した本質をついたものがある。これらをデモ実験として現在授業に取り入れ行っている。@踊る金属Na………金沢大学 A強風で沸騰が止まる……学習院大学 Bドライアイスの白い冷気について……島根大学 Cドライアイスの実験……島根大学 D酸素の滴がぽたぽた落ちる……大阪大学 |
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972203 |
503 |
ギ酸塩とパラジウム炭素触媒によるニトロベンゼンと脂肪油の水素化 |
宮城・第三女子 佐々木克敬 |
高校化学における有機化合物の還元法として、 穏和な条件下で反応が進む、
ギ酸塩とパラジウムー炭素触媒による水素移動水素化を検討した。 基質としてニトロベンゼン誘導体及びスチレンや不飽和脂肪酸を多く含む脂肪油を用いたところ、
相当する水素化反応が簡便な方法で短時間に進むことがわかった。 これらの結果から本方法は実験教材として適当と思われるので報告する。〔キーワード〕還元、
触媒、 水素化、 ニトロベンゼン、 不飽和脂肪酸、 化学実験、 課題研究 |
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972204 |
800 |
高等学校化学における実験・観察の有効な方法のあり方についての一考察〜基本実験
(コア実験) を通して〜 |
埼玉・県立松伏 後藤 顕一 |
観察実験を重視した理科教育が重要視されているが、 現実としては大変難しい状況にある。
教師の中で生徒にとって内容を精選しながら適正ストラテジーで化学実験を取り入れていく必要がある。
今回は特に基本実験である物質の分離を行い、 認知面、 情意面を測定することにより、
適正なストラテジーを模索した。〔キーワード〕物質の分離実験、学実験、 学習効果、
ストラテジー |
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972205 |
600 |
パソコンを利用した計測装置の利用と検討 水溶液の体積の測定 PHメータの利用 試験管ばさみを利用した光センサ |
北海道・旭川東 萬木 貢他 |
ADコンバータによるパソコン計測の以下のセンサーの利用と検討を行った。 1、点滴装置を利用した体積カウンタの原理 2、
市販のPHメータを利用して測定する方法 3、光センサを組み込んだ試験管バサミによる測定の利用
(散乱と吸光度の測定について) 4、 具体的な利用例 (ヨウ素によるビタミンCの定量実験)〔キーワード〕ADコンバータ、
パソコン計測、 体積測定、 PHメータ、 光センサ、 散乱、 吸光度、 ヨウ素溶液、
ヨウ素デンプン反応、 ビタミンC |
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972206 |
1400 |
実験準備ガイドブック (化学編) の作成 |
埼玉・高等学校理化研究会化学研究委員会 |
化学研究委員会北部支部では、 1993年度より、 授業における実験の活性化、
化学TBの探求活動や化学Uの課題研究に向けての実験対策などについて、 検討を行ってきた。
その一環として、 ベテランの実習助手や教員の、 実験や準備のための知識・技術・アイデア等の集大成と、
高等学校の化学で行われる実験について、 基本的な実験知識の簡便で総括的なガイドブックを作成した。〔キーワード〕実験、
実習助手、 薬品管理、 廃液処理、 実験器具、 実験操作 |
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972207 |
1101 |
固体の溶解度測定−パソコン計測による溶解度曲線 (1) − |
福島・県立白河旭 佐川 演司 |
固体の溶解度についての授業内容は、 これまで、 実験はほとんど行わず単なる比例計算の計算問題に終始している。
パソコンによる計測を利用することで、 電解質溶液の濃度に対する伝導度の変化から、
固体の溶解度が温度とともに増加することを、 目で確かめながら、 定性的にではなく、
定量的にしかも短時間のうちに確認しつつ、 溶解度曲線を求める方法を検討した。
〔キーワード〕パソコン計測 伝導度 電解質 交流波形 マシン語 溶解度 過飽和状態 |
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972208 |
1301 |
化学U 課題研究を行ってみて−課題研究実施上の選択肢− |
東京・都立小山台 伊平 憲生 |
課題研究が導入されることが、 大きな話題となったのは、 5年以上前のことである。
その後、 数々の提言や実践がなされた。 前年度は、 新学習指導要領の完成年度に当たり、
本校でも第3学年において、 化学Uの授業を行った。 しかし、 課題研究は授業時間数の確保の問題等から、
その実施を見送ろうと考えたが、 研究体験を通じて、 創造性や思考力を養い、 「生きる力」
を育成させるべく、 実施の方法を工夫して行った。〔キーワード〕化学教育への提言 課題研究 探求活動 意識調査 教育課程 学習指導 |
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972209 |
202 |
二酸化炭素の溶解・電離平衡 |
大阪府・理化教育研究会化学委員会 大阪教育大学付属 井野口 弘治 |
気体の溶解度の学習において、 ヘンリーの法則を定量的に確かめる生徒実験は提案されていない。
PH5. 6以下の雨を酸性雨とするという記述は見えるが、 化学Uの平衡の学習においても酸性雨の定義がどのように出されているかについての学習は提案されていない。
身近な現象であり、 化学T・Uの学習を進めることにより到達できるレベルであるから、
二酸化炭素を用いてその実験を開発し、 提案するものである。〔キーワード〕気体の溶解 ヘンリーの法則 電離平衡 生徒実験開発 酸性雨 二酸化炭素 |
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972210 |
900 |
コンピュータを使った凝固点降下の測定と蒸気圧の測定 |
岩手・県立宮古 小笠原 真司他 |
コンピュータを用いて行う生徒実験を研究した。 凝固点降下の測定は温度センサーを用いて溶液の凝固点を測定し、
グラフ作成を行うものである。 また、 あまり実験として扱うことの少なかった蒸気圧や大気圧の測定も圧力センサーを用いると可能であり、
その測定方法について研究をした。〔キーワード〕教材開発 溶液の性質 凝固点降下 三態変化 蒸気圧 計測と測定 |
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972211 |
504 |
サリチル酸の合成実験教材の開発 |
東京・都立八王子東 臼井 豊和 |
ο−アミノ安息香酸 (アントラニル酸) を硫酸または塩酸中でジアゾ化し、
そのまま加熱することによりサリチル酸を合成する実験教材を開発した。 合成したサリチル酸はやや薄茶色に着色していたが、
試験管中で昇華させることにより白色の針状結晶となった。 生徒実験の収率は40〜70%であった。
実験終了後に行った生徒のアンケート結果 (5段階評定尺度法) から、 実験操作の難易度も適当で、
生徒が興味をもって実験に取り組んだことが窺えた。〔キーワード〕芳香族化合物 サリチル酸 ジアゾ化 加水分解 昇華 |
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972212 |
1002 |
河川の水質分析 |
山形・県立酒田工業 柴田 勲 |
私たちが、 生活していくうえで多量の水を必要としている。 特に、 生きていくうえで約3リットルの飲料水を必要とする。
最近このように生活に密着している水が汚染されており、 その大部分が家庭から出る生活排水によるものといわれている。
そこで、 河川の水質を分析することによって、 水の汚染状態を実感させ、 それがどのように生活排水と関連しているのか理解してもらい、
これからの生活の中で、 一人一人が、 水を汚さない工夫をしてもらいたいと考え、
この実験を試みた。〔キーワード〕サンプリング 分析項目 分析の簡便さ パックテスト |
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972301 |
1200 |
他教科の内容を取り入れた化学TAの指導 |
岩手・県立宮古北 堀内 隆史 |
新教育課程で登場した化学TAを指導する中に、 他教科特にも家庭一般の内容を取り入れることによって、
生徒をより身近な素材に目を向けさせ、 化学に対し興味関心をもって取り組ませる授業展開ができた。
他のいろいろな教科・科目の教材に目を通しておくことは指導する上で大いに参考になるものと考える。〔キーワード〕化学TA、
家庭一般、 衣料の化学、 教育課程 |
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972302 |
800 |
英語による化学実験の指導展開 |
愛知・県立瀬戸 萩野 隆則 |
国際化の進むなかで、 海外からの留学生、 帰国子女も増加している。 今後、
その数は増加すると思われる。 彼らに教育を施すときに英語以外の教科であっても、
英語を中心とした外国語の必要性は一層高まることが予想される。 高等学校においてもそれは高くなる。
生徒も多くの授業で彼らと接することで国際感覚も身につけることができる。 そこで理科においても、
英語による化学実験の指導とその実験書の作成を試みることにした。〔キーワード〕国際化、
英語、 化学実験、 実験の基本操作、 活性炭電池、 コロイド |
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972303 |
1002 |
地域環境とそれを用いた化学教材例 |
秋田・県立大館鳳鳴 野村 正幸 |
地域資源の理解および低環境負荷素材としての秋田県二ツ井町産ゼオライト岩の化学的利活用について述べた。
一つは固体酸触媒としてエタノールの脱水反応、 他方はイオン交換材として用いた。
秋田県および本州北部日本海側の大気汚染指標として酸性雨測定結果について述べた。
クラブ活動におけるこれらの成果を化学授業に導入する試みを行った。 環境化学教材の開発手法について提言した。〔キーワード〕環境化学教材、
地域資源、 天然ゼオライト、 固体酸、 イオン交換、 酸性雨 |
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972304 |
1004 |
環境に関わる物質に対する中学生の認識 |
大阪・私立大谷学園大谷中高 高野 裕恵 |
新聞やテレビ・ラジオのニュースなどで様々な物質名が流される。 ほとんど環境問題に関わる物質であるが、
こういう物質についての知識を実際に得ていくのは、 学校における授業の中でしかない。
中学生がどの程度物質について知っているか、 アンケートをとり、 実際に学校で物質をどう教えていくかを考察してみた。〔キーワード〕化学物質、
化学教育、 環境教育、 中学理科、 物質認識 |
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972305 |
500 |
ヨードホルム反応による有機化合物の同定法 |
宮城・富谷 藤川 卓志 |
教科書でも取り扱われているヨードホルム反応を改良し、 30分程度で対象化合物の分子構造を同定する実験教材を開発した。
反応に不必要なヨウ化カリウムを使わず、 塩基としてナトリウムメトキシドを使用したところ、
短時間で効率よく反応が進み、 反応副生成物の同定も容易になった。 授業では物質名を伏せて試薬を配布しているが、
パズル的な要素もあったため、 化合物の同定に成功した生徒は非常に強い達成感を得ているようだ。〔キーワード〕有機化合物の構造と分類、
定性分析、 課題研究 |
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972306 |
507 |
PETボトルの加水分解における溶媒の影響 |
東京・都立武蔵 溝口 克彦 |
PETボトルの加水分解とテレフタル酸の分子量測定についてはすでに北海道大会
(平成6年度) で発表したが、 PETボトルを粉末にするのに時間がかかるため、
実際に生徒実験に降ろすのに問題があった。 この点を改良するために、 種々のナトリウムアルコラートを用い、
一定量のPETボトルの片を完全に加水分解するのに必要な時間を測定したところ、
炭素数が増すに従い、 加水分解速度が速まることが分かった。〔キーワード〕PETボトル、
加水分解、 加水分解率、 ナトリウムアルコラート |
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972307 |
900 |
強力な泡消化剤の考案とそれの教材化 |
沖縄・県立浦添商業 久高 興祐 |
強力な泡消化剤を考案したので、 それを教材化して生徒実験をさせ化学の重要性と化学製品のすばらしさを実感させ、
火の取り扱い方と消化法を知らせる。〔キーワード〕化学、 応用と人間生活 |
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972308 |
1300 |
無機物質の指導における探究活動 |
福島・県立福島東 氏家 章次 |
探究活動が探究する態度や知識理解に対して、 大変有効であるという結果が得られたので報告したい。
また、 探究する態度を育成する方法についても一考察を加えた。 すなわち、 実験の装置の図を描かせるテストや教科書に載っている実験を少し改変すことによって、
探究活動に必要な学力要素のいくつかをかなり育成できることが分かった。〔キーワード〕化学TBの指導、
無機物質の指導、 探究活動、 生徒考案実験、 実験操作図作成テキスト、 実験操作の意味 |
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972309 |
900 |
おりたためる回転結晶模型 |
大阪・府立東住吉 森本 均 |
この結晶模型は、 生徒が短時間に作れ、 立体パズル感覚で回転させて楽しむことができ、
学習した後は、 折たたんで持ち帰ることができる。 少し厚めのB4サイズの紙に印刷した図面からハサミと糊だけでつくることができるので安価である。
この結晶模型は立方体8個連結した構造からなり、 体心立方格子、 面心立方格子、
塩化ナトリウム型格子などの単位格子に利用できる。〔キーワード〕結晶模型、
単位格子、 紙でつくる、 おりたためる、 回転、 反転、 体心立方格子 |
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972310 |
1300 |
ガムの成分を調べる−ガムからポリ酢酸ビニルを取り出しポリビニルアルコールの糸をつくる− |
大阪・大阪教育大学教育学部附属 堀川 理介他 |
チューインガムの基礎剤として、 以前は天然チクルを使用していたが、 高価なため、
現在はポリ酢酸ビニルが使用されている。 また、 添加物についても安全性の点で使用禁止になったものも多い。
本実験は、 課題研究の教材として、 生徒にとって身近なガムに含まれている成分を調べると同時に、
高分子の反応を経験させ、 また、 食品添加物等についても考えさせる機会を与えるねらいで行ったものである。〔キーワード〕課題研究、
日常生活の化学、 ポリ酢酸ビニル、 ポリビニールアルコール、 着色料 |
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972311 |
1300 |
柑橘類の成分分析−糖・有機酸・アミノ酸・苦み成分について− |
愛媛・県立松山中央 神野 雅彦 |
愛媛県の代表的な果実である柑橘類を資料として用い、 実際に食した場合の感覚と、
化学的な手法で分析する方法の両面から比較実験するための教材化を検討した。
食味試験の場合には甘味・酸味・苦み等、 個人個人で感じる域値が変動する。 しかし、
中和滴定・糖度計を利用した旋光度測定・分光光度法という非常に一般的な手法を用いれば、
生徒実験を行う際にも、 ほぼ良好な精度で結果が得られることがわかった。 〔キーワード〕課題研究、
柑橘類の成分分析、 比色分析 |
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972312 |
900 |
演示実験カード 「化学のレシピ」 の作成 |
岐阜・県立岐山 園部 利彦他 |
「化学のレシピ」 は、 演示実験の方法を書いた109枚1組のカードである。 本稿では、その作成意図と使用法について紹介する。〔キーワード〕教材開発 |
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972313 |
1001 |
危険実験に関する研究とマルチメディア教材化 |
三重・県立みえ夢学園 畦地 義久他 |
化学実験による事故は少なからず起こっている。 これらの事故の一部を再現検証し、
ビデオで撮った。 これをパソコンに動画として編集し、 学校におけるコンピュータの活用のためのマルチメディア教材とした。
実験の危険性を認識させると共に、 事故防止のため活用できる。 内容は、 ガラス細工、
過酸化水素水、 アルコールランプ、 突沸、 濃硫酸と水、 金属ナトリウムと水などである。〔キーワード〕事故と事故防止、
コンピュータの利用 |
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972401 |
202 |
二酸化炭素の水に対する溶解度 |
茨城・県立土浦第一 阿内 大冠 |
注射針付き注射器に水10mlを、 シリコン管付き注射器に二酸化炭素30ml取る。
水と二酸化炭素を注射器の中で混ぜ合わせ、 一定温度の水の中に5分間入れておく。
溶解後の二酸化炭素の体積を測定する。 最初取った二酸化炭素はその日の気温・大気圧にあるとして、
また、 水蒸気圧も考慮して結果処理を行う。 10、 20、 30℃では、 文献値に近い値が得られる。
気体の溶解度の温度効果と定量計算が学習できる。 また、 ヘンリーの法則の理解の一助となる。〔キーワード〕気体の溶解度、
定量実験、 二酸化炭素、 温度効果、 注射器、 水蒸気圧 |
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972402 |
101 |
結晶の学習−天日塩の劈開の実験をおこなって− |
岩手・県立盛岡第一 高橋 匡之 |
見た目は氷砂糖のようなメキシコ産の天日塩であるが、 その見事な劈開に生徒の目は輝く。
美しい劈開面を観察し、 宝石のような結晶 (立方体) をつくりあげた時、 ミクロのイオンの整然とした並び方を実感を伴って、
理解してくれるのである。〔キーワード〕原子・分子、 結晶 |
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972403 |
900 |
簡易真空槽を用いた気体の学習 |
富山・県立滑川 大澤 克司 |
気体の学習をする際、 その存在すら実感しずらく扱いにくいので、 苦手意識を持つ単元となっている。
しかし、 簡易真空槽を用い、 空気を抜けば容器全体の質量が減少するので、 気体にも質量があり、
気体も物質の状態の一つの姿であることがわかる。 さらに簡易真空槽を用いれば簡単に減圧された空間ができるので、
様々な現象を生徒に見せることができる。 また、 圧力計としては、 生徒も使っている腕時計を使用してみた。〔キーワード〕教材開発、
気体の性質、 気体の圧力、 蒸気圧、 状態方程式 |
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972404 |
1300 |
身近な物質でつくる電池の探究活動 |
北海道・札幌白陵 玉利 和弘 |
酸化還元反応の指導では、 電子授受の観点から物質間の電子の移動を実感できる電池や電気分解の工夫が必要である。
金属のイオン化傾向、 電池、 電気分解という一連の学習を、 身近な物質を用いて探究的に進めることで理解が深まる。
そこで、 アルミ缶・鉄クギ・10円硬貨・備長炭の電極、 塩化銅 (U) 等の電解液、
手回し発電機の利用等の工夫を試みた。〔キーワード〕身近な物質、 備長炭電池、
塩化銅 (U)、 触媒、 電子授受、 手回し発電機、 初充電 |
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972405 |
904 |
湿ったろ紙上における金属ナトリウムの反応の安全な観察法 |
東京・都立板橋 茨木 淳雄他 |
湿ったろ紙の上に金属ナトリウムの小片を置くと、 猛烈な炎と白煙を出して反応する。
しかし、 この実験は、 普通、 ビーカーの中で行うために、 起こっている面白い現象を見逃してしまう。
この実験をドラフト内で行なったり、 ビデオの映像を見せたりすれば、 より楽しい現象を見られる。〔キーワード〕ビデオ教材、
アルカリ金属、 金属ナトリウム、 過酸化ナトリウム、 安全教育 |
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972406 |
800 |
結晶構造と融解塩電解−化学指導法の研究〈指導展開例集〉− |
茨城・県立水戸第二 高木 昌宏他 |
茨城県高等学校教育研究会理化部・化学研究委員会 (委員14名) では、 化学の指導法の研究を行い、
指導展開例集を作成しました。 化学TB、 化学Uの中で物質量、 結晶構造、 熱化学、
酸化還元、 電気分解、 化学平衡等の概念は理解しにくい項目として上げられます。
そこでこれらの項目を研究テーマに選び、 指導計画、 実践例を付した構成にしました。
今回は、 その中の 「結晶構造」 と 「融解塩電解」 を紹介します。〔キーワード〕化学指導法の研究、
指導展開例集、 化学結合、 結晶構造、 融解塩電解 |
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972407 |
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電灯を用いた電離と中和の演示実験 |
東京・理化教育研究会化学専門委員会 都立四谷商業 内藤 義弘他 |
電灯装置を使った演示実験により、 酸・塩基の電離と中和について問題提起をし、
生徒に考えさせながら授業を展開する方法を開発した。 また、 気体の電離についてアンモニアや塩化水素の気体を吹き込む演示実験の例、
中和では石灰水に二酸化炭素を吹き込む例を紹介する。 電離についての水の役割を考えさせる演示実験も工夫した。
酸・塩基、 中和の学習が終わった後に復習として実施すると効果的である。〔キーワード〕電灯、
電離、 酸・塩基、 中和、 気体、 演示実験 |
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972408 |
800 |
高等学校における授業改善に関する実証的研究 −生徒による教師の授業評価− |
愛媛・県立松山北 矢野 正裕 |
「生徒による教師の授業評価」 を行うことにより、 教師は自己の授業イメージを明確化できた。
模範的授業の一例として 「一枚のレントゲン写真 (NHKテレビ放映のビデオ、
市川平三郎) の授業」 を生徒に視聴させ、 それと 「教師の自己の授業イメージ」
を対比・比較することにより、 生徒の視点に立った授業改善への客観的・具体的な改善点が得られた。〔キーワード〕授業改善、
化学教育、 生徒による授業評価 |
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972409 |
1300 |
実験とレポートを中心にした化学TBの授業を実践して |
東京・都立国分寺 堀内 和夫他 |
新教育課程において必修の3単位の化学の授業を生徒実験とそのレポートを中心に展開した。
この授業では8クラスとも共通のプリントで実験をした。 また毎回必ずレポートを提出させ、
考察にはできるだけ考えさせる内容を多くした。 またこの実践では物理が専門の先生も担当した。
その結果、 生徒にはレポートを調べて書く習慣ができ、 教員は物理、 化学をそれぞれの立場で実験内容の検討ができた。〔キーワード〕新教育課程、
生徒実験、 レポート、 評価、 課題研究 |
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972410 |
900 |
拡大実体積分子模型を用いた授業プラン〜燃やせば見えてくるかな?〈有機化学の入口〉第1部〜 |
青森・県立藤崎園芸 横山 将顕 |
「有機化合物はイメージしにくい、 種類が多くわかりにくい」 ととらえられがちである。
そこで有機化合物について 「拡大した実体積分子図・実体積分子模型を提示し」
「ライターの火で燃えるかどうか予想し、 煙、 スス、 においなどに着目して違いを見」
そして 「未知の物質の燃え方から、 含まれる原子、 構造を予想する」 という方法により、
有機化合物の全体的なイメージの獲得、 有機化学に親しみをもつことをねらいとする授業プランを作成した。〔キーワード〕教材・教具の制作、
有機化合物の性質、 模型、 身近な材料の性質やその構造 |
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972411 |
800 |
仲間と共に 「生きるちから」 を育む授業を (U) 〜あすなろ方式授業法・集団的自己教育力の育成〜 |
埼玉・大宮市立大宮北 竹野 徹美 |
オープンカリキュラムに規定する 「既存の概念に捕らわれない新たな発想を行う能力」。
その実現と表裏一体をなすのがヒドゥンカリキュラムが定義する 「生きるちから」
の育成である。 間違えることを許容し 「自らの考えを持つこと」 の大切さを理解させることを出発点として、
あすなろ方式は、 生徒達が 「仲間」 と共に学び合っていける 「集団的自己教育力の育成」
を成し遂げることによって、 最終的なオープンカリキュラムの実現をめざしている。〔キーワード〕あすなろ方式、
生きるちから、 集団的自己教育力 |
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972412 |
306 |
酸化・還元の単元における光化学電池の教材化 |
東京・都立八王子東 守本 昭彦 |
酸化・還元の単元における光化学電池に関する教材として、 硫化カドミウム光電極の合成と、
湿式光電池によるエネルギー変換に関する実験を検討した。 カドミウムを陽極に用い硫化ナトリウム水溶液を電気分解することにより、
電解酸化によって硫化カドミウム光電極を合成した。 合成した硫化カドミウム電極とステンレス電極をつなぎ、
両極の間にイオン化傾向測定電圧計をつないで光を照射したところ、 電流が流れ、
光起電力が観測された。〔キーワード〕酸化・還元反応、 電気分解、 電解酸化、
光化学電池、 硫化カドミウム |
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802 |
化学実験における新しい自己評価法の開発 |
東京・都立八王子東 守本 昭彦他 |
化学実験において学習目標を生徒にはっきりと意識させるような自己評価法を開発した。
評価項目を新しい学力観に示されている4分野に分類した自己評価記入シートを作成し、
教師が提示した学習目標に加えて、 生徒自身に学習目標を設定させた。 実験終了後、
教師が提示した目標、 生徒が自分で立てた目標および総合評価について5段階で自己評価させた。
実験教材にこの自己評価法を取り入れることで、 学習目的の明確化をはかることができた。〔キーワード〕化学実験、
自己評価法、 学習目標の設定、 新しい学力観、 学習評価法 |
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