物理の要約             

コード 分類 テーマ 発表者 内容 補助分類
971101 1500 使い捨てストロボカメラを利用したストロボットの開発 岩手・県立盛岡第一 藤原 忠雄 藤原先生開発の28作の発明開発作品の中から今回は4例をビデオに編集して紹介している。 その1は、 使い捨てカメラ (ストロボ付レンズフィルム) のストロボ発光部分を利用、 水晶発振子を内蔵したICにより8通りの周期で測定可能な装置 「ストロボット」 に組み立て、 一眼レフカメラ、 ポラロイドカメラ、 8ミリビデオカメラの3台で撮影を行った。 一眼レフカメラではシャープな写真が撮れた。 この装置では特にVTRカメラに同期する1/30秒周期設定が可能である。 音センサー、 光センサーなどの各種外付けセンサーの信号を受けて発光を始める。 ダルマ落とし、 電球の割れる様子などを紹介している。 ビデオカメラは一枚の画の中に幾つもの絵を写し込めないので、 運動の解析などには不向きで本来のストロボ写真とは呼べないが、 ミルククラウン、 電球の割れる様子などは、 絵が重ならない方が良く、 30Hzで発光させて撮影し、 コマ送りでテレビ画面一杯に写しだすと圧巻である。〔キーワード〕教材・教具の制作、 時間、 速度、 重力加速度、 慣性の法則
971102 1500 パーソナル反射屈折実験器 岩手・県立盛岡第一 藤原 忠雄 かつての反射屈折実験装置は演示実験を目的としたもので、 光の実験は装置の正面から観察しなければならず、 40人の生徒での一斉観察は不可能である。 本装置を使うと生徒個々に装置を扱うことができる。 臨界角に達して光が全反射した瞬間の生徒の驚きは大きい。 この作品は製品化され全国から大変多くの指示を頂き普及することができた。 電球、 電源スイッチが水槽と一体化されていて取扱いが簡単で持ち運びも便利、 小型計量で生徒の個人実験が可能である。 屈折率が直に求められる。〔キーワード〕教材・教具の制作、 反射、 屈折
971103 1500 EXCELLEMT・TIMER (高性能・多機能タイマー) 岩手・県立盛岡第一 藤原 忠雄 物理の測定に、 時間の測定は欠かせない。 正確に時間を測定するにはタイマーの精度とセンサーの精度が肝心である。 この多機能高性能タイマーによる測定は、 誤差が1%以下と極めて小さく、 予想よりもかなり高い精度である。 精度が向上した最大の原因はセンサーの工夫と自由落下実験の際の残留磁気の影響を解消する鉄芯と鉄球の距離の調整可能など、 装置の工夫によるものと思われる。 さらに、 測定しようとする対象の速度に応じてタイマーの発信周波数を可変にしたことで、 有効数字を常に4桁得られたことである。 高い精度で測定可能の本装置は1桁目の時間の刻みが10−5秒から100秒まで8通りに設定でき、 時間の短い音速の測定や教室内での1m程度の自由落下の時間の測定でも非常に高い精度で測定可能であり実験室に備えておきたい教具ではなかろうか。〔キーワード〕教材・教具の制作、 時間、 速度、 重力加速度、 音速
971104 1500 マウスの機能をそのまま生かした最も簡単なパソコン入力装置−MOUSE・CAR− 岩手・県立盛岡第一 藤原 忠雄 パソコンは最近、 大変身近なものになったが、 実験計測をパソコンにさせようとすると装置が大掛かりになったり、 仕組みが難しいためどうしてもブラックボックスになってしまう傾向にある。 そうした状況のもとで 「身近なもので、 分かりやすく、 精度の高い教材の開発」 という立場からパソコンに挑戦した傑作の1例である。 マウスの機能を小型力学台車に移植し、 この装置を〔マウスカー〕と名付けた。 2台のマウスカーによる運動量保存則の確認、 力積と運動量との関係グラフ、 弾性衝突・完全非弾性衝突の例、 単振動の速度と加速度との関係などが (v−t) グラフ・ (a−t) ・ (s−t) グラフに直ちに表示され、 実験結果が非常に理解されやすくなっている。 斜面による台車の等加速度運動についても生徒が興味を持つ姿が印象的である。〔キーワード〕教材・教具の制作、 コンピューター計測、 速度、 加速度、 運動量、 単振動
971105 1420 デルファイを使って作成したCAIプログラムの紹介 茨城・県立友部 深井 文宜 OSがDOSからWindows に進化したために既存のCAI用のプログラム技法が独習しにくくなった。 しかしながら、 ハードウェアとソフトウェアの進歩により、 高精度の数値を高速で計算し、 直ちに表示できるようになり、 プログラム言語は視覚的に優れたものになった。 本研究の目標はWindows 用プラグラム言語Delphi を使いプログラム技法を受け継ぐことであり、 2次元や3次元までも考慮した統一的なCAI用の用のプラグラム作成が試みられており、 CAI研究者の為に 「procadure の命名」 「3次元のCAIグラフィックスの研究開発方針」 のヒントを紹介している。〔キーワード〕コンピューター、シミュレーション、運動の法則、CAI、Delphi、Pascal
971106 1420 Mathematica とJava を用いた物理シミュレーション教材の作成とそれらのインターネットWWW上での公開 宮城・泉館山 加藤 徳善 数学ソフトMathematicaと最新プログラミング言語Java を用い、 物理のシミュレーション教材をいくつか作成した。 また、 これらをインターネットWWWのWebpage に載せることで、 誰もが利用できるように公開した。 これらはほとんどのパソコンやOSで利用でき、 マウスで簡単に操作できる。 内容は、 2次元波動の干渉、 ドップラー効果、 万有引力のもとでの太陽・惑星・衛星の運動、 ラザフォード散乱、 気体の分子運動と圧力、 物質の三態変化などである。〔キーワード〕シミュレーション、 Mathematica、 Java、 WWW、 波動、 万有引力、 分子運動と圧力、 物質の三態
971107 220 温度の計測について−色温度計の利用− 岩手・県立水沢 吉田 稔喜 温度の測定に熱電対を用いる方法及びその授業に対する応用については各種の研究がある。 ここでは、 高温における温度測定に限定し福田宏昭氏により紹介された色温度計を用いた測定例を示す。〔キーワード〕熱放射、 黒体輻射、 色温度、 温度、 エネルギー、 絶対温度、 波長
971108 1410 パソコンを使った音波の分析と合成 岩手・県立総合教育センター 互野 恭治 音波は身近な物理現象であり、 音波を利用して波動の基本的な性質を理解することは実感をともない有効な方法である。 しかし、 オシロスコープだけでは波形の観察にとどまり、 詳細な波の性質まで調べることはできない。 そこで、 音をフーリエ解析して成分を調べたり、 逆に成分をもとに重ね合わせの原理で元の波形とそっくりな合成波をつくって音として確認できたりする生徒実験用の簡単な装置を開発し、 授業に役立てた。〔キーワード〕波動、 音波、 コンピュータの利用、 計測・測定、 探究活動、 生徒実験
971109 1410 コンデンサーの充電曲線を描く−表計算ソフトのグラフ作成機能を用いて− 福島・県立福島高 原 尚志 1.0Fのコンデンサーを用いて、 コンデンサーの充電曲線を描く生徒実験を実施した。 グラフの作成にあたっては、 表計算ソフトウエアEXCELの 「近似曲線」 機能を用いた。〔キーワード〕電界と電流、 コンピュータ
971110 313 音波の干渉実験−音波による回折格子の聴覚化− 岩手・県立盛岡北 小野寺 正喜 光波の回折格子はホイヘンスの原理を考える上でも有用だが、 光の波長が短いため干渉の様子をイメージすることが難しい。 そこで、 小型スピーカーを等間隔に並べ、 光波の回折格子のモデルとして、 光波の干渉を聴覚化した。 また、 空間的な干渉の様子を視覚化するため、 音波をマイクで受け、 パソコンで干渉を表示し、 干渉の学習に役立てようと試みた。 その結果、 干渉をパソコン上で視覚化できて、 学習に役立つことがわかった。〔キーワード〕音波の干渉、 回折格子、 パソコン、 物理実験
971111 100 「意外性に気付かせる実験指導・記録タイマーを見直そう」 東京・都立八王子東 古沢 佑一 測定器具としての記録タイマーのすばらしさは、 装置が簡単でブラックボックスなしに速度と加速度が測定できることにある。 この利点を活かすには予想外の結果が出るような実験がよい。 記録タイマーと共に 「PSSC物理」 で紹介された 「歩行実験」 は、 人が一定の速さで歩いたつもりでも、 一歩の中で歩く速さが異なることを教えてくれた。 もう一度記録タイマーの良さを見直すため、 記録タイマーを用いた意外性のある実験指導例を紹介する。〔キーワード〕記録タイマーの活用法、 実験指導とデータ処理の方法、 探究学習
971112 1700 実験・実習を中心とした物理TA授業の実践 北海道・南茅部 渡邊 儀輝 物理TAは、 日常生活との関わりを重視し、 科学的な見方、 考え方を育てるという科目であるが、 初めて扱う教材・分野が多いことなどから、 高校においては戸惑いをもちながらも実践しているのが現状である。 そこで私は、 実験・実習を中心に置き、 物理学全体を見すえ興味を持たせるよう1年間を通して5分野すべてにわたって学習するようにした。 そしてその実践記録をホームページ化し、 電子メールを通じた交流を行っている。〔キーワード〕年間授業計画、 物理実験
971113 1420 「気体分子の運動」 についてのシミュレーション・ソフトの制作 岩手・県立福岡工業 高橋 道 ボイルの法則とシャルルの法則は、 「物理TB」 の教科書でエネルギーの単元で扱われている。 この教材は、 気体分子を2次元ボックス内のボールの等速度運動に見立て諸法則を生徒に、 コンピュータによるシミュレーションとして体験させることを目的として制作を試みたものである。 したがって、 あくまでも気体の法則の定性的な確認に留まるものである。〔キーワード〕教材開発、 コンピュータ、 シミュレーション、 気体分子の運動
971114 622 身のまわりの電磁波 山形県・酒田市立酒田中央 池田 健 携帯電話やPHS、 ポケベルなどが高校生の間で流行している。 近年の物理ばなれを踏まえて、 できるだけ生活に密着した現象をとりあげ、 また最近、 電磁波の人体に対する影響が問題になっていることにも多少結び付けて生徒の興味関心を引くために、 同じ地区の物理の先生方と協力して、 身の回りの電磁波の強度を測定し、 授業に提示することを試みた。
971201 1320 量の研究X−内包量の細分化:〈時度〉と〈空度〉の違いについて− 茨城・県立日立第一 根本 和昭 物理量は加法性の有無によって“大きさ
971202 330 目の働きを中心にした光とレンズの授業展開の研究 埼玉・県立浦和第一女子 湯口 秀敏 物理の内容は他の理科と関連の深い内容が色々ある。 生徒の立場から見ると、 それぞれが断片的な知識として教え込まれているのが現状である。 この状況を少しでも改善しようと考えて、具体例として物理TBに登場したレンズについて、 光の内容も含んで生物分野の学習内容を考慮した授業内容を検討している。〔キーワード〕レンズ、 目、 生物分野
971203 1500 Windows 環境におけるシングルチップ(H8) を用いた計測・制御システムの開発 北海道・旭川東 萬木 貢他 シングルチップマイコン(H8/532)とは、3cm四方の集積回路中にAD変換器を含む9組のI/Oポートを内蔵したマイクロコンピュータを指す。 このマイコンのシリアル通信機能を使って、パソコンとRS232Cで接続し、H8/532を計測制御ユニットとみなすと、 実験で必要な計測制御を簡単に行うことができる。〔キーワード〕コンピュータ計測、 コンピュータ制御、 シングルチップマイコン、 AD変換器、Visual-Basic、DLL、シリアルポート、RS-232C、EIA-232-E
971204 1700 「体験を通して学ぶ力学」 の指導 大阪・府立豊島 平野 裕一 実験・実習を通して物理現象を実体験することは、 仮想現実に慣れた生徒にとって、 知的論理的理解を助けるだけでなく、 生徒の物理現象に関する直感的・感覚的学習能力を身につけさせることにつながると考え、 体験を重視した力学の指導を行った。 また、 学習評価の面において学習した知識の理解度だけを定期考査で評価するだけでなく、 毎時間の授業で生徒に自己評価させその評価を授業の展開に活かす試みを行った。〔キーワード〕体験重視、 体感に訴える実験、 因果関係が明示される実験、 自己評価
971205 300 音のフレネルレンズと大型クインケ管の制作・教材化、 電磁波測定器の紹介 東京都・理化教育研究会物理専門委員会(波動・電磁気班) 墨田川 田原 輝夫他 音波の干渉を実感できる実験として音のフレネルレンズと大型クインケ管を制作し、 その教材化について研究した。 音のフレネルレンズは教師の演示実験や生徒の課題研究のテーマとして、 大型クインケ管は演示実験や生徒実験として活用できそうである。最近家電製品などから出る電磁波の人体への影響についての報告や出版物がでて、 電磁波測定器が市販されるようになった。 2機種を入手し、 教材化の可能性を探ってみた。〔キーワード〕音波、 緩衝、 回折、 演示実験、 生徒実験、 課題研究、 電磁波、 電磁波測定器
971206 100 「運動と座標系」 演示実験 岩手・県立釜石南 梅内 和生 等速度運動または等加速度運動する力学台車上から球を落下させ、 球の軌跡を台車上の斜面と実験台上に固定した斜面にそれぞれ記録する演示実験装置と、 等速運動する力学台車上から鉄球を鉛直投射する演示実験装置を紹介する。〔キーワード〕運動の相対性、 慣性の法則、 速度の合成、 慣性系と比慣性系、 慣性力
971207 1500 理化部におけるUV計測システムの制作と計測の実際 北海道・苫前商業 保格 秀規 環境教育が重視され教科書にも紫外線の危険性を記述しているが、 目に見えない紫外線 (以下UV) は、 赤外線と違い人体に感覚的影響を与えないため、 人体に危険というイメージを持つことが困難である。 UVセンサーとパソコン計測により、 UV量を数値に変換する教材を理科部の生徒が制作し、 実験例を確立、 UVに対する生徒の理解に効果が現れた。〔キーワード〕紫外線 (UV)、 教材開発、 UVセンサー、 パソコン計測実験
971208 1500 生徒に興味を喚起させる物理実験 愛媛・県立弓削 藤本 茂州 私は物理TAの授業展開において、 従来の教科書中心の実験を行ってきたが、 常々、 本校生徒の実体に合っていないのではないかという疑問を持っていた。 そこで、 生徒一人一人が自主的に実験に参加し、 自分が工夫する過程で物理的体験を体験したり、 法則性を発見できるような教材・教具の開発を試みた。 ここでは、 多少教科書とはかけ離れた実験もあるが、 生徒とともに物理TAを学びながら疑問を追求した授業実践例を示している。〔キーワード〕教材・教具の制作、 偏光、 空気圧 衝突、 逆立ちゴマ、 エネルギーの変換
971209 1310 身近な物理現象を考える 愛知・県立蒲郡東 山畑 真樹 新学習指導要領では、 高等学校の理科に関して 「探求活動」 および 「課題研究」 が履修項目の一部として、 位置づけられている。 そこで、 「身近な物理現象について、 どうしてこの様な現象になるのかを調べて提出せよ。」 という課題を設定し、 文献を使って調べさせた。 また、 課題の中で自分が興味を持ったものを実際に仮説を立て、 実験を行い、 検証することにより、 探求活動として取り組んでみた。〔キーワード〕課題研究、 探求活動、 身のまわりにある物理現象、 教材開発
971210 1500 渦電流斜面と等速落下器 福島・県立相馬 松岡 浩三 磁石につかないはずの銅・アルミニウムの板にネオジム磁石をのせて滑らせると、 渦電流が発生してブレーキがかかる。 視覚的におもしろいこの現象は、 定性的な演示実験にとどまることが多かったが、 斜面上での終端速度を測って、 金属の抵抗率の比を求めるという定量実験のための器具を製作した。 また、 渦電流を利用してネオジム磁石がフワフワと落下する等速落下器も制作した。〔キーワード〕教材開発、 物理実験、 電磁誘導、 渦電流、 終端速度
971211 300 ドップラー効果における対称性と相対性 茨城・県立土浦第一 山口 金三 直線上のドップラー効果では、 媒質が流れる場合を考えても、 振動数間の関係式は左右の辺は対称的に表されるが、 波長間では (普通は) 対称的には表せない。 そこで 「@波長についてどう考えれば対称的表現になるか、A特殊相対論的に振動数と波長について対称性がみられるか、B(古典的ドップラー効果では媒質の流れを考えることによりガリレイの相対性原理が満たされるが) 特殊相対性原理が満たされるか」 について調べてみた。〔キーワード〕ドップラー効果、 相対性、 対称性 特殊相対性原理、 ガリレイの相対性原理
971212 1500 市販玩具を用いた慣性実験器について 青森・県教育センター 工藤 貴正 慣性実験 (慣性の法則、 放物落下運動、 座標系) は、 物理TBの科目の単元 「力と運動」 の中では、 生徒がとても興味を持って取り組む実験の一つである。 しかし、 力学台車からの球の自由落下、 鉛直投げ上げができる市販の 「慣性実験器」 は、 実験効率が高いが、 かなり高価である。 そこで、 制作の容易な簡易実験装置や安価な市販玩具を利用した慣性実験器を紹介する。〔キーワード〕教具開発、 力と運動、 慣性の法則、物体の運動
971213 1500 「流れをみる」 −教材化への試み 秋田・県立能代工業 高杉 昌彦 私たちの身近に見られる流れの様子を可視化することで、 一体なぜこのような流れとなるのか、 興味・関心が湧く。 その興味・関心をきっかけとして、 物理的に考えようと意欲も湧くのではないだろうか。 流れは、 高校物理の単元にはないものの、 流れの実験例を踏まえて、 高校物理の範囲内で考えられる題材はないものか。 今回はその実験例を提示し、 その教材化について考えてみたい。〔キーワード〕教材・教具の制作、 課題研究、 運動の法則、 波動
971214 321 ビニールホースを用いた音速の測定 富山・県立富山工業 木下 正博 50mのビニールホースを4巻きつなぎ合わせて200mとし、 その両端にペットボトルとマイクを取り付ける。 ペットボトルをたたきマイクでホース内の空気を伝わってきた音を拾う。 この時間差を簡単な方法で測定し、 空気中での音速を求める。 また、 ホース内に二酸化炭素を詰め、 同様の実験で異なる媒質中での音速を求める。〔キーワード〕教材研究、 波動、 音波、 音の伝わり方、 光と音、 音と耳、 物理実験
971301 321 音波を疎密波として視覚的に見せる方法の開発 群馬・県立伊勢崎工業 大内 仁 気柱内に音波を送り定常波を作る。 その定常波の腹と節を、 発泡スチロールの球の立ち上がりと赤熱したニクロム線の明暗によって、 空気の疎密を視覚的に観察する。〔キーワード〕音は疎密波、 銀杏の木 、発泡スチロール球
971302 331 レーザーと鏡を用いた教材の開発 岩手・県立花巻北 及川 研一 最近になって、 安価で小型の半導体可視光レーザー光源が手軽に入手できるようになってきた。 このレーザー光源と、 鏡、 模型用モーターを用いて単振動、 正弦波の演示装置を開発したので紹介する。〔キーワード〕教材開発、光の進み方、単振動、正弦波
971303 331 レーザーポインターを使用した光通信、 その他の実験装置 茨城・県立古河第一 岡野 道也 数年前から懐中電灯、 太陽電池などを使用した光通信が授業の中で行われるようになったが、 簡易で発展性のある光通信を実用化した。 また音の波動性を直接示すクインケ管による音の干渉、 それを視覚化したヤングの音干渉実験装置を製作した。〔キーワード〕レーザーポインター、 光ファイバー、 クインケ管、 密閉音源、 ヤングの音干渉実験
971304 1500 演示用滑走体 岩手・県立高田 立花 起一 力学の最初に出てくるのが等速運動である。 速さが等しい、 つまり一定時間に進む距離がいつも同じという生徒にとっては非常に分かりやすい運動である。 ただし、 摩擦という邪魔者をいかに少なくすることができるかが勝負である。 今回、 身近な材料を用いて、 床面との間に空気の流れを作る方式で浮上させる滑走体を製作した。 演示してもよいし簡単な生徒実験にも使え、 摩擦が少ない場合の様々な運動を体感させ得るものと考える。教材開発 等速運動 平面上衝突の運動の表し方
971305 1700 青銅鏡の製作を通して 奈良・県立橿原 山本 善保 理科とは我々にとってとても身近な自然について学ぶ教科であるにも関わらず、 生徒たちは自分の生活とは無縁な、 まるで別世界について学習しているような感覚を持ってしまっている。 自然と触れ合うことから始まるはずの理科の原点に戻り生徒たち自らがまず興味を持って自主的に学習に取り組んでいくことを目標に、 物つくりを授業に取り入れることにした。〔キーワード〕身近な自然・ 物つくり・古代の鏡青銅鏡・金属の融解と融点
971306 1500 ケルビンの水滴発電器の作成とその応用 (静電誘導の発展的学習のために) 千葉・県立千城台 小笠原 正 静電気についての学習においては、 静電誘導などの理解の深化へとつながる。 ここでは、 千葉県の物理研究会の1グループである 「物理教材利用班」 で作成したブラックボックス的要素がまったくない、 「ケルビンの水滴発電器」 を紹介するとともに、 これを用いた授業の展開例を紹介したい。 この装置はシンプルでありながらその発電機構が巧妙である点で多様な活用の仕方が考えられる。〔キーワード〕教材開発 ケルビンの水滴発電器、静電誘導 、誘電分極
971307 1500 簡易型霧箱と放射線について 岩手・県立久慈 戸田 公夫 物理TBの 「放射線とその性質」 を指導しやすくするために生徒に実際に見せたいと思い、 教材として売っているものを調べたところ高価なものが多い。 そこで簡単に制作できる霧箱を制作し、 身近な放射線源について調べてみた。〔キーワード〕 教材教具の制作・放射能
971308 1300 「生きる力」 を育む環境教育 宮崎・県立飯野 稲用 健二 環境に関わる諸問題は一層深刻になり、 人類の生存環境は急激に悪化していく。 この意味でも、 生徒達の 「生きる力」 の醸成は不可欠である。 概念が異なる公害問題と環境問題の違いを生徒達にいかに認識させ、 深刻な環境問題をしっかりとらえさせ、 かつ 「どうしたら解決できるのか」 という実践的テーマを追求させることをめざした環境教育について論じた。〔キーワード〕生きる力、 環境教育、 公害問題と環境問題、 環境対策先進国、 概念打破、 勇気
971309 1600 高校の物理と数学 ―高校生の意見― 宮城・仙台第二 佐藤 昌孝 物理学は、 ニュートンの書いた 「プリンキピア」 以来、 数式を用いて理論の展開を進めるという伝統がある。 大学からも 「高校物理を数式を使ってキチンと指導して欲しい」 という声が強くある。 しかし高校物理の教科書には、 微分や積分を使った記述はない。 以上のことについて生徒の意見を聞いてみた。 その結果は、 賛否様々であり、 物理を教えることの難しさを、 改めて痛感させられた。 ご意見を頂ければ幸いである。〔キーワード〕物理教育に関する調査・研究
971310 622 日めくり電磁波 岩手・県立高田 及川 純哉 近年、 携帯電話を使用している人が増加している。 携帯電話の短いアンテナからは電磁波が発生しており、 それによって多くの情報を伝達している。 その電磁波の発生や伝搬の仕組みを理解するためには、 ヘルツの実験や電磁誘導の法則などをもとにして考えていかなければならない。 電磁波の伝搬が容易に理解ができるように、 電場・磁場の変化を 「日めくり」 的に作成したので報告する。〔キーワード〕電磁波 日めくり
971311 1700 「場」 を物理の主役に!! 埼玉・県立北本 石井登志夫 物理概念にはいろいろあるが、 体積・質量・密度・運動・慣性……などは 「もの」 の属性である。 これらについては小学校、 中学校の頃から 「もの」 の性質として学んでいる。ところが、 磁石・電気・重さ・弾性・温度・光・音……などは 「場」 の性質、 あるいは 「もの」 と 「場」 の相互作用である。 小・中学校では 「もの」 を中心に学習を進めるのは当然としても、 高等学校の物理では、 もっと 「場」 を中心にした展開を考えても良いのではないか。〔キーワード〕場、 位置エネルギー、 内部エネルギー、 弾性、 分子間力、 電磁波
971312 1500 物理TB 「探究実験プリント(力学編)」 の作成 東京・理化教育研究会物理専門委員会 都立目黒 閏間 征憲他 新指導要領の改定にともない、 探究活動が設けられ、 実験・観察が義務づけられた。 しかし、 できた教科書の探究実験は、 従前の実験内容、 形式と、 ほとんど変わらないものであった。 また、 すべての学校で、 物理実験が実施されている現状にもない。 私たちは、 生徒が興味・関心をもって、 主体的に実験に取り組むことができ、 物理実験を実施していない教師や、 物理以外の理科の教師が、 自信をもって実験できるように、 実験内容、 実験形式、 実験指導書にも配慮し、 『物理TB探究実験プリント (力学編)』 を、 作成したので報告する。〔キーワード〕探究、 物理リテラシー、 国民常識、 身近、 興味関心、 考える、 手軽、 精度
971313 1500 弦定常波実験器を使った応用実験および生徒実験用波動実験器の製作と実験例 東京・理化教育研究会物理専門委員会 都立目黒 閏間 征憲他 新教育課程では、 身近な題材を選んで、 生徒が直接五感を通して体感できる実験が求められている。 そこで、 今まである実験器具を応用したり、 改良したりして、 もっと生徒が直接体感できるようにと検討してきた。 その結果、 うなりや定常波を題材に弦定常波実験器を使った応用実験と、 生徒が簡単に組み立てられ、 波の原理が容易に理解できる、 生徒実験用ウエーブマシーンを製作し、 実験例についても検討したので報告する。〔キーワード〕直接体感、 弦定常波実験器、 うなり、 定常波、 波の原理、 生徒実験用ウエーブマシーン
971401 1500 斜面上のモンキーハンティング〜OHPの活用〜 岩手・県立宮古 佐々木 修 平常あまり使うことのなかった視聴覚機材OHPを利用してモンキーハンティングに代表される落体の実験の演示を考えてみた。 OHP上で行うことにより、 実験装置をコンパクトにすることができた。 その上、 スクリーン上に実験の様子が映し出されるため、 生徒に大きく演示することができた。〔キーワード〕教材開発 落体の運動
971402 1700 理科に興味を持たせるイベント実験 岩手・県立宮古工業 三浦 秀明他 身の回りにある材料をつかい熱気球、 水ロケットをつくり、 文化祭などの学校行事で生徒の気持ちを盛り上げるイベント向け実験を行ってきた。 あわせてこれをきっかけに理科に対する興味関心を持たせたい。〔キーワード〕熱気球 水ロケット
971403 1500 「虹の箱」 の製作 茨城・県立水戸第一 関口 隆司 光の反射、 屈折、 分散の具体例として 「虹」 はたいへん魅力ある素材である。 授業の導入として、 この美しい 「虹」 を生徒に見せたいと思う。 透明のプラスチックビーズを紙に貼りつけて虹のシートをつくる方法が報告されており、 これにより教室でも 「虹」 を見せることが可能になった。 今回、 より実際の 「虹」 に近いものを見せるために、 プラスチックビーズをガラス箱の中で吹き上げることで、 空間中に 「虹」 をつくる装置を製作した。〔キーワード〕教材開発、虹、光波、光の反射光の屈折、分散
971404 1500 ワンチップマイコンの物理計測装置への応用 岩手・県立金ヶ崎 村上 弘 「PIC16F84」 は、 安価で小型、 プログラムの書き込み・消去が、 100回以上可能な、 新しいタイプのワンチップマイコンである。 このマイコンを応用することにより、 多様な実験装置の開発が可能となる。 今回はデジタル速度計の開発を通して、 その可能性を報告する。〔キーワード〕ワンチップマイコン、PIC16F84計測・計算、教材・教具の製作
971405 1500 新しい波動説明器 岩手・県立釜石南 小林 晃 波動の基本について指導する際、 波の伝わるメカニズムを生徒の納得がいくように示したい。 そのために、 実際の波動を黒板上でゆっくりと見せてやることはできないだろうか。 そんな願いを実現できるアイデアが浮かんだ。 力学台車をゴムひもでつないで波動のメカニズムを示す実験を鉛直面内で示せるように、 質量の等しいおもりを滑車につるして重力を打ち消し、 そのおもり (質量=慣性) をゴムひも (復元力) でつなぐというものである。 奥行きが短くできるため、 黒板上で、 動きのある波動の概念や現象を教科書の図と対応させながらダイナミックに示すことができる。 また、 おもりの質量や間隔、 ゴムひもの張力を自由に変えることができるため波の伝わる速さが媒質によって決まることまで定量的に演示できる。〔キーワード〕波の伝わるメカニズム、慣性、復元力、黒板での演示、実験教材の開発
971406 1129 物理TAにおける電池の単元化 秋田県立由利工業高等学校 金 博之 今まで電池は、 化学や総合理科向きの教材であったが、 太陽光電池なども含めると物理TAでも取り上げたい内容だと考えた。 そこで電池について、 実験・制作を中心とした単元を構成してみた。 以下の内容は本校の3年生に実施した 「選択理科」 (生徒26人を3人の教師が交代で授業) で行ったことを元に若干の手直しと改良を加えたものである。〔キーワード〕電気エネルギー エネルギーの移り変わり 身近な材料の性質やその構造
971407 400 等価回路、 そして内部抵抗とインピーダンスマッチング 青森・県立青森西 渡辺 聰明 電気回路においては素子の性質が分かれば、 キルヒホッフの法則を適用することにより、 回路の電流や各点の電位を求めることができるのであるが、 回路 (の一部) を適当な等価回路で置換することにより現象的に具体的なイメージを持ちやすくなる。 これは生徒の理解を助けただけでなく、 私自身の考え方をよくサポートしてくれた。 また、 電気回路のインピーダンスマッチングの場面でも役立ち、 力学系のインピーダンスマッチングにも応用できた。 (発表者より、 論文集P.157、 8行目の 「内部抵抗200〔Ω〕」 を 「内部抵抗100〔Ω〕」 に訂正あり。)〔キーワード〕電気回路 電流と仕事 エネルギー
971408 512 電子天秤を用いた振動による力積の測定 栃木・県立栃木 進上 芳雄 力学的な振動現象は、 実験あるいは教科書等の問題を通して、 周期・張力などを測定したり、 解答している比較的なじみ深い問題である。 しかし、 問題の視点や測定装置を変え、 現象を見直すと理解できにくい問題も多く含まれている。 そこで、 電子上皿天秤台上に単振り子、 ばね振り子、 抗力の作用する単振動体等の装置全体を乗せ運動にともなう力積 (F−t曲線) を測定したところ単純には理解できない興味ある結果が得られたので報告する。〔キーワード〕単振り子 力積 振動により生ずる力の時間変化 作用反作用力
971409 412 高耐圧、 大容量コンデンサーを使った実験 三重・県立神戸 前田 茂穂 高耐圧・大容量コンデンサーを使ってコンデンサーと電球、 コンデンサーとコイルの振る舞いを視覚を通して実感するものである。〔キーワード〕電力 コンデンサーの充放電 レンツの法則 偏向コイル
971410 1400 興味・関心を高める物理 「課題研究」 の実践〜インターネット利用の一事例〜 北海道・函館中部 関川 準之助 物理の学習を始めた2年生への興味付けとして 「課題研究」 を実施した。 最も重要な課題の設定には、 インターネット上に公開されている 「The Exploratorium Science Snackbook」 を用いた。 生徒は身近な材料を使って放課後の物理実験室で実験装置を準備し、 ミニ 「科学の祭典」 方式で発表した。 生徒の取り組みは予想以上に熱心で、 現在履修中の物理の面白さ・楽しさを発見・体験するという当初の目的は達成されたと考えている。〔キーワード〕課題研究 インターネット
971411 1500 技術史を用いたSTS教材の構想と編成 北海道・札幌開成 山田 大隆 STS (SCIENCE、TECHNOLOGY ANDSOCIETY) 教材は、 資源エネルギー問題関連の環境教育のSAW (SCIENCE ACROSS THE WORLD)、 アジア地域版SAAP (SCIENCE ACROSS ASIA PACIFIC) として、 また、 技術史関連の産業考古学、 博物館利用教材として、 今日発展しつつある。 筆者は、 技術や物理ばなれの進む現在、 後者の観点 (技術史的STS) を重視し、 産業技術史の地方教材として、 北海道開発技術史利用の教材を作成、 実践した。〔キーワード〕STS SAAP SAW 産業技術史 教材開発
971412 1320 オカルト・非合理に対する啓蒙教育 埼玉・県立上尾東 西尾 信一 物理教育においては、 オカルト・非合理に対する啓蒙教育を積極的に行うべきであると考え、 そのための教材や指導案を収集・開発した。 それらを用いて行った1学年必修の物理■Aの授業実践を報告し、 その結果を含めてまとめた 「非合理主義に対する啓蒙教材資料集」 を紹介する。 なお、 授業実践は、 学習指導要領項目の中の 「(5) 物理学の影響」 の 「イ ものの見方と物理学」 の内容として行った。〔キーワード〕ものの見方と物理学 オカルト・非合理 教材収集・開発 実践報告
971413 1500 概念形成をバックアップするひと授業の工夫 東京・理化教育研究会物理専門委員会 都立大山 飯野 誠他 受験勉強にも物理の面白さを伝えたり、 疑問を喚起する良問がある。 それらをヒントに、 実験の開発、 物理法則を視覚で理解する作図の工作、 演習問題の研究を行った。 単振り子をつけた台車の運動、 ばねの質量を考慮した単振動、 気体の状態立体モデル、 ビー玉式スターリングエンジンの測定、 アクリルケースを使った屈折率・臨界角の測定、 粘着テープのはく離による発光・帯電など、 実際の授業のひと工夫に役立ちそうな話題について報告する。〔キーワード〕運動量の保存 単振動 熱と仕事 光の進み方 電界・電位